生成AIは質問に対する文章を短時間で返せます。しかし、何を確かめるべきか、誰の立場を考えるか、出力を採用してよいかを決めるのは人です。そのため、AI時代の探究学習では「答えを得る技術」だけでなく、問いを立て、検証し、更新する力が重要になります。

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この記事の要点: AI時代に重要なのは、AIに答えを出させる力だけではなく、何を問うべきかを見極める力です。探究学習では、違和感を言語化し、問いを更新する経験がその力を育てます。

問いを立てる力とは

問いを立てる力は、疑問を思い付くことだけではありません。違和感や関心を言葉にし、既に分かっていることを調べ、対象や条件を絞り、調査・実験・対話で確かめられる形へ変える力です。

探究学習で問いを育てる4ステップ

1. 疑問を量で出す

最初から良い問いを一つ選ばず、「なぜ」「誰にとって」「いつから」「何と比べて」を使い、身近な経験から疑問を広げます。

2. 調べて分かる問いと考える問いを分ける

事実確認だけで答えが終わる問いは予備調査に使い、その結果から原因、影響、選択肢を考える問いへ進みます。

3. 調査できる範囲へ絞る

対象、地域、期間、立場、比較軸を加え、授業時間と利用できる情報で確かめられるかを確認します。

4. 反対意見と生成AIで問いを点検する

AIには答えそのものではなく、「この問いの曖昧な言葉は何か」「別の立場から反論して」「必要な一次情報を挙げて」と依頼します。出力は必ず元資料で確認し、問いを変更した理由を記録します。

良い問いを確認するチェックリスト

  • 自分がその問いを選んだ理由を説明できる
  • 答えが一つに決まっていない
  • 資料、観察、実験、聞き取りで確かめられる
  • 対象と範囲が授業時間に収まる
  • 結果によって自分の考えを修正できる

テーマ設定の具体例は探究テーマが決まらないときの問いの作り方、探究全体の流れは探究学習の完全ガイドで確認できます。

AI時代の探究力シリーズ

問いを立てる力を育てる授業の設計

問いを立てる力は、思いつきの発想力だけではなく、情報を比較し、前提を疑い、調べられる形に整理する力です。AI時代の授業では、答えを早く出す活動よりも、問いを更新する活動を評価に入れることが効果的です。

  • 最初の問い、調査後の問い、発表前の問いを並べて変化を記録する。
  • AIに答えを出させる前に、生徒自身が仮説と根拠を言語化する。
  • 「なぜその問いが重要か」を社会・学問・自分の関心の3方向から説明させる。

AI時代の問いづくりを探究事例で深める

AIが情報整理を支援できる時代だからこそ、何を問うべきかを考える力が重要です。探究事例を比較すると、問いの具体化や更新の過程を授業に取り入れやすくなります。

よくある質問

AI時代に問いを立てる力が重要な理由は何ですか?

AIは情報整理や回答生成を支援できますが、何を問うべきか、どの前提を疑うべきかは人が考える必要があります。問いを立てる力は、学びや研究の方向性を決める基礎になります。

大学教育で問いを立てる力を育てるにはどうすればよいですか?

正解を教える授業だけでなく、観察、比較、仮説づくり、対話、振り返りを組み込むことが有効です。学生が自分の問いを更新する機会を設計することが重要です。

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【この記事の監修者】

田中 悠樹|株式会社Study Valley代表

田中 悠樹|株式会社Study Valley代表

東京大学大学院卒業後、ゴールドマンサックス証券→リクルートホールディングスに入社。同社にて様々な企業への投資を経験する中で、日本の未来を変えるためには子どもたちへの教育の拡充が重要であると考え、2020年に株式会社Study Valleyを創業。
2020年、経済産業省主催の教育プラットフォームSTEAM ライブラリーの技術開発を担当。
2024年、経済産業省が主催する「イノベーション創出のための学びと社会連携推進に関する研究会」に委員として参加している。