高校/学校の探究担当の先生向け探究学習支援サービス『TimeTact』 CSRの枠を超えた教育投資『TimeTact』

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中教審の議論はまだ「案」の段階です

本記事で紹介するのは、中央教育審議会 初等中等教育分科会 教育課程部会 生活、総合的な学習・探究の時間ワーキンググループが公表した「取りまとめ(案)②総合的な学習・探究の時間」(会議後修正)の内容です。この資料は2026年8月4日付で文部科学省のサイトに掲載されており、本記事は2026年9月24日に内容を確認して執筆しています。あくまで審議会での検討中の「案」であり、正式に決定した学習指導要領の内容ではない点にご留意ください。

「4つのプロセスを回すこと」自体が目的化する課題

従来、総合的な学習・探究の時間では、課題の設定、情報の収集、整理・分析、まとめ・表現という「探究のプロセス」が示されてきました。資料ではこの整理について、「4つのプロセスを順を追って回すこと自体が探究と認識され、目的化しているケースがある」「同一のプロセスでは十分に捉えきれない探究がある」といった指摘があるとしています(p.8)。

探究の形態を「研究系・行動系・創作系」で捉える

これを踏まえ、資料では「課題」に着目した場合に、「研究系」「行動系」「創作系」といった探究の形態が考えられ、その形態に応じて探究のプロセスも異なりうることを、参考資料等の形で示していくことが適当だとされています(p.8)。

資料に表そのものがあるわけではありませんが、Study Valley編集部で3つの形態のイメージを整理すると、以下のようになります(架空の例です)。

探究の形態主な目的課題設定の例(架空)検証・修正の例(架空)
研究系疑問を明らかにする「地域の高齢化率は本当に全国平均より高いのか」統計データを複数の一次資料で照合し、仮説を修正する
行動系実生活・実社会の課題を解決する「通学路の危険箇所を減らすには何ができるか」実際に対策を試し、周囲の反応をもとに改善する
創作系アイデアを作品として形にする「地域の魅力を伝える短編動画を作る」試作を見せて意見をもらい、構成や表現を練り直す

「創作系」が重視される背景

特に「創作系」の意義については、生成AIをはじめとするデジタル技術の発展が「アイデアを自分の作品として形にすること」を多くの人々に実行可能にした一方(いわゆるデジタル技術の民主化)、アルゴリズムにより推薦・提供され続けるコンテンツを「消費者」として消費し続ける誘因が増大しているとの見方が示され、「AIに操られることなく自らの人生を舵取りしていく」創作者としての経験の重要性が論じられています(p.8)。なお、卒業研究のような各学校段階の「節目としての探究」(p.9、p.22)も探究の重要な形態に関わるトピックですが、これについてはこのシリーズの後半の記事で詳しく取り上げます。

この方向性をTimeTactで授業に落とし込む

探究の形態によって必要な支援は異なります。探究支援サービス学校向けTimeTactには、探究での調査内容を保存して一覧管理する「ノート&トーク機能」、すでに作成されているワークシートを読み込んでアイデアを整理できるオンライン模造紙、アウトプットをイメージした探究を支援する「探究ポスター機能」があり、上の表の3形態それぞれに合わせて使い分けることができます。

使い分けの一例(仮のイメージです):研究系では、検証した一次資料や仮説修正の経緯をノート&トーク機能に記録していく。行動系では、オンライン模造紙で対策案を整理し、実施してみた結果や周囲の反応を書き加えて改善案をアップデートしていく。創作系では、試作から仕上げまでの過程を探究ポスター機能にまとめ、途中でもらったコメントと直した点をあわせて残しておく。いずれの場合も、その探究がどの形態に当てはまるか、プロセス設計をどう組み立てるかという判断は教師・学校の指導計画によるものです。

このシリーズの他の記事

本記事は、中教審の総合的な学習・探究の時間に関する取りまとめ(案)を読み解く全8回シリーズの3本目です。

まとめ

探究のプロセスを「研究系・行動系・創作系」という形態から捉え直す議論は、従来の4段階プロセスを画一的に回すことの課題意識から生まれています。いずれも参考資料としての提示が検討されている案の段階であり、今後の議論の推移を見守る必要があります。評価やレポート作成の考え方については探究レポート・評価ガイドもご参照ください。

テーマ別に読み進める

関連する解説を体系的に確認する場合は、生成AI×教育×探究学習 完全ガイド|授業設計・校内ルール・評価をご覧ください。

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この記事を書いた人:Study Valley 編集部
Study Valley編集部は、探究学習、教育、企業連携、進路に関する記事を企画・編集しています。公的機関の一次資料と公開事例を確認し、教育現場で実践に移しやすい情報を届けます。
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【この記事の監修者】

田中 悠樹|株式会社Study Valley代表

田中 悠樹|株式会社Study Valley代表

東京大学大学院卒業後、ゴールドマンサックス証券→リクルートホールディングスに入社。同社にて様々な企業への投資を経験する中で、日本の未来を変えるためには子どもたちへの教育の拡充が重要であると考え、2020年に株式会社Study Valleyを創業。
2020年、経済産業省主催の教育プラットフォームSTEAM ライブラリーの技術開発を担当。
2024年、経済産業省が主催する「イノベーション創出のための学びと社会連携推進に関する研究会」に委員として参加している。