総合的な学習の時間の評価はどう変わる?形成的評価と自己評価重視の議論(中教審案)

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中教審の議論はまだ「案」の段階です
本記事で紹介するのは、中央教育審議会 初等中等教育分科会 教育課程部会 生活、総合的な学習・探究の時間ワーキンググループが公表した「取りまとめ(案)②総合的な学習・探究の時間」(会議後修正)の内容です。この資料は2026年8月4日付で文部科学省のサイトに掲載されており、本記事は2026年9月24日に内容を確認して執筆しています。あくまで審議会での検討中の「案」であり、正式に決定した学習指導要領の内容ではない点にご留意ください。
評価改善の3つの方向性
資料では、総合的な学習の時間の評価について、大きく3つの改善の方向性が示されています(p.58)。1つ目は、目標に照らしてそれぞれの児童生徒の成長に着目して評価するとともに、探究のプロセスを通じて一貫した視点で継続的に見取ること。2つ目は、評価の観点について、3観点を10の要素(視点)に分けた評価規準を作成する取扱いが過度な負担・負担感につながることを踏まえ、よりシンプルなものとして示すこと。3つ目は、評価の見直しが「活動あって学びなし」の状況に陥らないようにしつつ、評価の在り方の詳細を別途分かりやすい形で現場に示すことです。
総合の評価は「評定」ではなく記述による見取り
まず押さえておきたいのは、総合的な学習・探究の時間の評価は、各教科のような数値や記号による「評定」を行わないという点です。資料も「総合の評価では評定を行わないほか」と明記しており(p.58)、現行の「児童(生徒)にどのような力が身に付いたかを文章で端的に記述する」という記述評価の基本的な在り方を維持する方向が示されています(p.58)。
そのうえで、評価の担い手としては、「教師による評価としては、形成的評価(見取りを踏まえた適時のフィードバックや指導・支援等)」、「子供自身による評価として、自己評価(振り返り)や相互評価(自己の考えや振り返りの共有・話合い)の機会の設定を一層重視する」ことが挙げられています(p.58)。学習の締めくくりに行う評価としては、一人一人の成長に着目して端的に文章で評価する「総括的評価」も併記されており(p.72)、形成的評価や自己評価・相互評価を次の学びにつなげる工夫として、探究のプロセスに関わる資料をポートフォリオ等の形にまとめ、それを用いて対話する検討会を行うといった取組も考えられると注記されています(p.72)。
この方向性をTimeTactで授業に落とし込む
形成的評価や自己評価を重視するうえで土台になるのが、日々の探究活動の記録です。学校向けTimeTactでは、各グループ・生徒が授業中に取り組んだ内容を一覧表示でき、生徒が自走して取り組んだ内容も確認できます。また、グループメンバーや教職員からのコメント機能もあり、適時のフィードバックや振り返りの共有を記録として残せます。
フィードバックの一例(仮のイメージです):生徒が探究の記録に「アンケートの回答数が少なく、結論を出すには根拠が弱いかもしれない」と振り返りを書いたとします。これに対し教師が「回答数の少なさを踏まえて、次はどんな方法で情報を補えそうか考えてみよう」とコメントを残す(形成的評価)。生徒はそのコメントを受けて、「追加でインタビューを行い、量的データと質的データを組み合わせる」という次の行動をノート&トーク機能に記録する。こうしたやり取りの積み重ねが、学期末に文章でまとめる記述評価(総括的評価)の材料にもなります。
評価の基準を立てたり、記述評価の文章をまとめたりするのは、あくまで教師の役割です。TimeTactは、その判断のもとになる日々の記録とやり取りを可視化する道具として使えます。生成AIと探究学習全体の関係については生成AI×教育×探究学習 完全ガイド|授業設計・校内ルール・評価もあわせてご覧ください。
このシリーズの他の記事
本記事は、中教審の総合的な学習・探究の時間に関する取りまとめ(案)を読み解く全8回シリーズの4本目です。
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まとめ
総合的な学習の時間の評価は、評定ではなく記述評価を維持しながら、形成的評価・自己評価・相互評価を重視する方向で議論が進められています。評価規準の詳細は今後の検討課題であり、現時点では案の段階の内容です。
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関連する解説を体系的に確認する場合は、探究レポート・評価ガイドをご覧ください。
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【この記事の監修者】

田中 悠樹|株式会社Study Valley代表
東京大学大学院卒業後、ゴールドマンサックス証券→リクルートホールディングスに入社。同社にて様々な企業への投資を経験する中で、日本の未来を変えるためには子どもたちへの教育の拡充が重要であると考え、2020年に株式会社Study Valleyを創業。
2020年、経済産業省主催の教育プラットフォームSTEAM ライブラリーの技術開発を担当。
2024年、経済産業省が主催する「イノベーション創出のための学びと社会連携推進に関する研究会」に委員として参加している。










