テーマ探究とマイ探究はどう違う?中教審が示す発達段階別の考え方

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中教審の議論はまだ「案」の段階です
本記事で紹介するのは、中央教育審議会 初等中等教育分科会 教育課程部会 生活、総合的な学習・探究の時間ワーキンググループが公表した「取りまとめ(案)②総合的な学習・探究の時間」(会議後修正)の内容です。この資料は2026年8月4日付で文部科学省のサイトに掲載されており、本記事は2026年9月24日に内容を確認して執筆しています。あくまで審議会での検討中の「案」であり、正式に決定した学習指導要領の内容ではない点にご留意ください。
「テーマ探究」と「マイ探究」はどう関係するか
資料(p.7)では、探究の形態を「テーマ探究」と「マイ探究」という2つの視点で整理する考え方が示されています。「テーマ探究」は、教師を起点として学年・学級等で共通のテーマや課題を設定し、特定のテーマを掘り下げながら興味・関心を広げたり見つけたりすることを重視するものです。「マイ探究」は、個人を起点としてテーマや課題を設定し、一人一人の興味・関心の深掘りを重視するものとされています(p.7)。
ここで注意したいのは、この2つが「個人でやるか、みんなでやるか」という活動形態の違いや、「小学校はテーマ探究、高校はマイ探究」といった学校段階ごとの切り替えを意味するものではない、という点です。資料はむしろ、学級やグループで設定した共通の「テーマ探究」から出発しつつ、その中で一人一人が自分なりの問い(マイ探究)へと枝分かれしていくような組み合わせ方を想定しており、「高校段階で自己の在り方生き方に関わる『マイ探究』を自律的に進められるようになることを目指すこと」を掲げながらも、「『テーマ探究』(興味・関心をとりわけ『広げる』学び)と『マイ探究』(興味・関心をとりわけ『深める』学び)のいずれも重要であるため、発達の段階や子供の実態も踏まえ」適切に組み合わせることが必要だとしています(p.7)。
教師の指導性が問われる「委ねればよい」ではない
資料が特に強調しているのが、「マイ探究」を明示的に位置付けることが、「児童生徒に委ねればよい」といった誤解を招き、教師による指導の改善を阻害したり、「活動あって学びなし」の状況を招いたりしないようにするという点です(p.7)。教師の適切な見取りや形成的な評価を含め、教師の果たすべき役割や指導性の発揮の在り方についても、今後解説等で示していく方向とされています。また、探究の成果を論述・レポート・プレゼン・作品制作等の形で「外化」することを学習指導要領上明確化することも適当だとされています(p.7)。
この方向性をTimeTactで授業に落とし込む
共通テーマから個人の問いへ枝分かれしていく進め方を支えるには、テーマの着想を広げる支援と、教師からの基準・フィードバックの両方が必要になります。学校向けTimeTactには、生徒が設定したフリーテーマに関連する企業課題をAIが提案する「AIおすすめ企業テーマ」や、ブレインストーミングを支援する「あいである」といった機能があり、クラス共通の「テーマ探究」から一人一人の「マイ探究」へと問いを分岐させていく着想の入り口として活用できます。
授業設計の一例(仮のイメージです):①学級で共通の大きなテーマ(例:地域の防災)を設定する(テーマ探究)→ ②「あいである」等を使って、生徒それぞれが大きなテーマの中から気になる切り口を発散的に出す → ③教師が発達段階や興味・関心に照らしたコメント・基準を添えて、一人一人の問い(マイ探究)に絞り込むよう助言する → ④絞り込んだ問いと、その根拠になった教師コメントをTimeTact上に記録として残す。テーマの妥当性や絞り込みの基準そのものは教師が判断する部分であり、AIの提案はあくまで着想の幅を広げる補助として使う形です。
評価やレポート作成を含めた探究学習全体の設計については、探究レポート・評価ガイドもあわせてご覧ください。
このシリーズの他の記事
本記事は、中教審の総合的な学習・探究の時間に関する取りまとめ(案)を読み解く全8回シリーズの2本目です。
- 「情報の領域」新設で探究とAI活用はどう変わる?中教審WG取りまとめ(案)を読む
- 探究のプロセスは研究系・行動系・創作系へ|中教審が示す新しい整理(案)
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まとめ
「テーマ探究」と「マイ探究」は対立する概念でも学校段階で切り替えるものでもなく、共通のテーマから個人の問いへ枝分かれしていく組み合わせとして議論されています。教師の指導性の発揮や成果の「外化」も含め、まだ案の段階の内容ですが、今後の授業設計を考えるうえでの手がかりになりそうです。
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関連する解説を体系的に確認する場合は、生成AI×教育×探究学習 完全ガイド|授業設計・校内ルール・評価をご覧ください。
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【この記事の監修者】

田中 悠樹|株式会社Study Valley代表
東京大学大学院卒業後、ゴールドマンサックス証券→リクルートホールディングスに入社。同社にて様々な企業への投資を経験する中で、日本の未来を変えるためには子どもたちへの教育の拡充が重要であると考え、2020年に株式会社Study Valleyを創業。
2020年、経済産業省主催の教育プラットフォームSTEAM ライブラリーの技術開発を担当。
2024年、経済産業省が主催する「イノベーション創出のための学びと社会連携推進に関する研究会」に委員として参加している。










