AIをテーマにした探究テーマ30選|高校生向けの問い・仮説・調査方法

AIをテーマに探究したい高校生向けに、授業や部活動で実行可能な30のテーマを「問い・仮説・調査方法」まで具体化しました。生成AIの仕組みを説明するだけで終わらず、自分で比較、観察、検証、聞き取りができる問いを選ぶことがポイントです。
この記事は「AIそのものを研究対象にする」テーマ集です。探究の道具として生成AIを使いたい場合は探究学習で生成AIを導入する3ステップ、テーマを自分の興味から絞る方法はAIを活用した探究テーマの決め方をご覧ください。
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AIの探究テーマを選ぶ4つの基準
- 自分との接点がある: 授業、部活動、地域、進路など、なぜ調べたいかを自分の経験で説明できる
- 比較できる: 質問方法、表示、撮影条件、利用工程など、変える条件と測る結果を決められる
- 一次データを集められる: 公開資料、観察、匿名アンケート、許可を得た聞き取りなどを組み合わせられる
- 安全に実施できる: 個人情報、著作物、年齢要件、学校の利用ルールを守り、実際の医療・災害・進路判断には使わない
以下の「仮説例」は正解ではありません。探究を始める前の予想として、自分の経験や予備調査に合わせて書き換え、反対の結果が出ても記録してください。
学習・授業を調べるAI探究テーマ
自分たちの学習を対象にすると、短期間でも比較実験や振り返りを設計しやすくなります。成績や個人名は収集せず、匿名化した小規模データで試します。
AIの説明方法で理解しやすさは変わるか
問い: 同じ概念を「例え」「図解用の箇条書き」「反対例」で説明させたとき、理解度はどう変わるか。
仮説例: 学習者が既に知っている具体例を含む説明の方が、直後の説明課題で要点を再現しやすい。
調べ方: 一つの単元で3種類の説明を作り、匿名アンケートと短い説明課題を比較する。正答は教科書や先生が確認する。AIの質問は振り返りを深めるか
問い: 自由記述だけの場合と、AIから確認質問を受けた場合で、振り返りの具体性は変わるか。
仮説例: 経験、理由、次の行動を尋ねる質問があると、具体的な記述が増える。
調べ方: 同じ活動後に二つの振り返り方式を試し、事実・理由・改善案の有無を共通ルーブリックで数える。AIを使う前後で記憶の残り方は変わるか
問い: 最初からAIへ質問する場合と、先に自分で考えてから使う場合で、翌日の説明力に差は出るか。
仮説例: 先に自分の予想を書く方が、翌日に根拠を自分の言葉で説明しやすい。
調べ方: 短い学習課題を二条件で行い、翌日に同じ観点の説明課題を実施する。参加は任意とし個人名を記録しない。AI添削の指示で文章の直し方は変わるか
問い: 「書き直して」と「問題点だけ質問して」では、生徒の修正内容にどのような違いが出るか。
仮説例: 問題点を質問させる方が、修正理由を説明できる割合が高い。
調べ方: 自作の短文を二つの指示で推敲し、変更箇所と理由を記録して比較する。AIが作る練習問題の質を評価できるか
問い: 生成AIが作った問題には、どのような誤りや曖昧さが含まれるか。
仮説例: 条件が少ない指示ほど、範囲外の内容や正解が一つに定まらない問題が増える。
調べ方: 教科書の一単元で複数回生成し、先生と生徒が正確性・範囲・解答可能性を点検する。AIを使った学習計画は実行しやすいか
問い: AIが提案した計画と、自分で作った計画では、実行率と修正回数に違いがあるか。
仮説例: 生活時間を自分で入力して修正した計画は、一般的なAI案より継続しやすい。
調べ方: 個人情報を入力せず一週間の計画を作り、実行できた項目と修正理由を自己記録する。
情報・メディアを調べるAI探究テーマ
生成AIの回答は毎回同じとは限らず、出典や表現の確かさも自動では保証されません。比較条件と判定基準を先に決めます。
AIの回答は同じ質問でも変わるか
問い: 同じ質問を日時やサービスを変えて繰り返すと、結論・根拠・表現はどの程度変わるか。
仮説例: 大枠は似ても、例や出典候補、断定の強さが変化する。
調べ方: 同一の質問を複数回記録し、主張、根拠、留保表現を共通の分類表で比較する。出典を求める指示で正確性は上がるか
問い: 出典URLを求めるだけの場合と、発行主体・資料種別を先に指定した場合で、実在する出典の割合は変わるか。
仮説例: 官公庁や研究機関など発行主体を指定すると、検証可能な候補が増える。
調べ方: 同じテーマで回答を集め、URLの実在、発行元、公開日、主張との一致を人が確認する。AIは架空の引用や文献を作るか
問い: 専門的・地域限定のテーマほど、実在しない文献名や数字が増えるか。
仮説例: 公開情報が少ないテーマでは、もっともらしい未確認情報が混ざりやすい。
調べ方: 一般テーマと地域テーマを比較し、国会図書館、CiNii、J-STAGE、公式サイトで実在を照合する。質問の言い方でAIの意見は偏るか
問い: 賛成を前提にした質問と反対を前提にした質問で、提示される根拠はどう変わるか。
仮説例: 質問文の前提に沿う理由が多く提示され、反対情報が少なくなる。
調べ方: 同一テーマを中立・賛成・反対の3条件で質問し、論点と情報源の種類を比較する。AI生成だという表示で信頼度は変わるか
問い: 同じ文章でも「AI生成」「人が作成」と表示すると、信頼度評価は変わるか。
仮説例: 内容が同じでも、表示ラベルが信頼度に影響する。
調べ方: 自作した同一文章を用い、表示だけを変えた匿名アンケートを実施する。事前に先生の確認を受ける。AIはやさしい日本語へ正確に直せるか
問い: 行政文書をAIでやさしい日本語にしたとき、重要な条件を残しながら読みやすくできるか。
仮説例: 読みやすさは上がるが、例外条件や対象者が省略される場合がある。
調べ方: 公開された短い行政文書を使い、文字数、専門語、必須条件の保持を原文と比較する。
学校・地域・仕事を調べるAI探究テーマ
AIが社会でどう使われるかを調べるテーマです。組織の内部情報を入力せず、公開資料と許可を得た聞き取りを組み合わせます。
学校のAI利用ルールは生徒に伝わっているか
問い: 利用できる場面、入力禁止情報、出典確認について、生徒と教員の理解は一致しているか。
仮説例: 禁止事項は伝わっていても、出典確認や利用箇所の明示は理解が分かれる。
調べ方: 校内ルールを項目化し、匿名アンケートと文書内容を比較する。学校の許可を得て実施する。地域のFAQをAIは正しく案内できるか
問い: 自治体サイトの公開情報について、AIは対象者・期限・申請先を正しく答えられるか。
仮説例: 一般説明はできても、更新日の新しい制度や例外条件で誤りが増える。
調べ方: 自治体公式FAQを正解資料として質問を作り、回答の一致と更新日を確認する。災害情報の要約で重要事項は残るか
問い: 防災情報を短く要約すると、避難対象、場所、時刻、例外条件は保持されるか。
仮説例: 短さを優先するほど、条件や例外が落ちる可能性がある。
調べ方: 自治体や気象庁の過去の公開文を使い、必須項目の保持率を比較する。実際の災害判断には使用しない。仕事ごとにAIで変わる作業は何か
問い: 地域の職業では、AIに任せたい作業と人が担うべき判断をどう区別しているか。
仮説例: 定型文や整理は任せやすく、対人判断や責任を伴う決定は人が担うと考える人が多い。
調べ方: 公開資料を調べた後、許可を得た地域の働き手へ同じ質問で聞き取り、職種別に比較する。地域の方言や固有名詞をAIは扱えるか
問い: 標準語と比べ、地域の方言、地名、行事名の説明にはどのような誤りが出るか。
仮説例: 公開資料が少ない固有名詞ほど、意味や由来を取り違えやすい。
調べ方: 自治体史、博物館、地域資料を正解資料とし、複数の質問方法で回答を比較する。観光案内のAI回答は誰に偏っているか
問い: 同じ地域でも、家族、高齢者、車いす利用者、外国人向けに条件を変えると案内内容は十分変わるか。
仮説例: 代表的な観光地へ集中し、移動条件やアクセシビリティ情報が不足する。
調べ方: 公式観光サイトと交通情報を基準に、対象者別の不足項目を比較する。
倫理・文化・表現を調べるAI探究テーマ
著作権や偏りは、単純な正解が一つに定まらない領域です。公開物だけを使い、法的判断を断定せず、制度資料と人の受け止めを分けて扱います。
AI画像は職業の固定観念を表すか
問い: 職業名だけで人物画像を生成したとき、性別、年齢、服装の傾向は偏るか。
仮説例: 職業によって似た人物像が繰り返される。
調べ方: 個人名を使わず複数回生成し、事前に決めた項目で集計する。画像は校内研究用に限定する。AI作品の表示は評価に影響するか
問い: 同じ作品でもAI利用の有無を表示すると、独創性や好感度の評価は変わるか。
仮説例: AI利用と表示された作品は、技術評価より独創性評価が下がる。
調べ方: 自作素材を使い、表示条件だけを変えた匿名アンケートを行う。参加者へ目的を説明する。AI翻訳で文化的なニュアンスは残るか
問い: 地域の昔話や案内文を翻訳・再翻訳すると、敬意、ユーモア、地域固有の意味はどう変わるか。
仮説例: 直訳しにくい語や背景知識が必要な表現ほど意味が一般化される。
調べ方: 著作権が切れた作品か許可を得た短文を使い、原文話者・学習者の評価を比較する。AIと共同制作した物語の独自性はどこにあるか
問い: 発想、構成、文章化のどこでAIを使うと、作者が説明できる独自の判断が残るか。
仮説例: 発想候補だけにAIを使い、選択理由と改稿履歴を残すと、作者の意図を説明しやすい。
調べ方: 利用工程を変えた短い作品を作り、制作ログと自己説明を共通ルーブリックで比較する。AI生成物の著作権を高校生はどう理解しているか
問い: AI生成物、既存作品の入力、類似する出力について、どこに権利上の注意が必要だと考えているか。
仮説例: 出力の利用には注意していても、既存著作物を入力する場面への理解が分かれる。
調べ方: 文化庁資料を基に事例問題を作り、学習前後の回答理由を比較する。個別事案の法的結論は扱わない。AIの文章は「自分らしさ」をどう変えるか
問い: AIによる言い換えを重ねると、書き手が残したい経験や言葉遣いはどの程度残るか。
仮説例: 文法は整うが、固有の経験や普段の語彙が一般的な表現へ置き換わる。
調べ方: 自分の短文を段階的に推敲し、残した表現・失われた表現・採用しなかった提案を記録する。
科学・データ・技術を調べるAI探究テーマ
AIの性能を測るときは、正解データ、比較条件、再現手順を用意します。顔、声、成績など個人を特定するデータは使いません。
画像認識は撮影条件で変わるか
問い: 同じ植物や日用品でも、明るさ、角度、背景で分類結果は変わるか。
仮説例: 暗い画像や背景に物が多い画像ほど、分類の一貫性が下がる。
調べ方: 自分で撮影できる非個人画像を使い、条件ごとに複数回試す。図鑑や製品表示で正解を確認する。少ない学習データは分類を偏らせるか
問い: 画像分類モデルで、クラスごとの枚数や背景が偏ると誤分類は増えるか。
仮説例: 枚数が少ないクラスや背景が一種類のクラスで誤分類が増える。
調べ方: 日用品など安全な対象で自作データを作り、枚数と背景条件を変えて正解率を比較する。AIの感情分類と人の判断は一致するか
問い: 同じ短文について、AIと複数の人の感情分類はどこで食い違うか。
仮説例: 皮肉、曖昧な表現、文脈のない短文で一致しにくい。
調べ方: 自作した架空の短文だけを使い、判定理由を記録する。SNS投稿や個人の会話は収集しない。AIによる表計算コードは正しいか
問い: 平均、中央値、割合、グラフ作成のコードをAIに作らせたとき、どの種類の誤りが起きるか。
仮説例: 欠損値や単位を明示しない指示で、計算対象の取り違えが増える。
調べ方: 答えが分かる架空データを使い、条件の有無でコードと結果を比較する。AIの要約は数値と条件を保てるか
問い: 統計資料を短く要約したとき、調査年、対象、母数、単位、例外条件は残るか。
仮説例: 要約を短くするほど、母数や調査条件が省略される。
調べ方: e-Statなどの公開資料を使い、必須5項目の保持数を要約文字数別に比較する。AI支援でプログラムの理解は深まるか
問い: 完成コードを求める場合と、エラー原因を質問させる場合で、修正後の説明力は変わるか。
仮説例: 原因を質問させ、自分で一行ずつ直す方が、別問題でも考え方を説明しやすい。
調べ方: 小さな架空課題を二条件で解き、後から処理の流れと修正理由を説明する。
選んだテーマを調査可能な問いへ変える方法
興味のあるテーマが決まったら、「AIについて調べる」のままにせず、次の順で条件を加えます。
- 対象: 何の回答、文章、画像、授業、地域を扱うか
- 変える条件: 質問文、表示、日時、利用工程、データ量など何を比較するか
- 測る結果: 正確性、具体性、一貫性、理解度、信頼度など何を記録するか
- 期間・件数: 授業時間内で繰り返せる範囲に絞る
- 正解資料: 教科書、官公庁、大学、研究機関、原典のどれで検証するか
問いの作り方を基礎から確認する場合は、探究テーマが決まらないときの問いの作り方も活用できます。
4週間で進める調査計画例
| 週 | 行うこと | 残す記録 |
|---|---|---|
| 1週目 | 予備調査、問い、比較条件、安全確認を決める | 問いの変更理由、参考にした一次情報 |
| 2週目 | 同じ手順でデータを集める | 質問文、日時、条件、回答、エラー |
| 3週目 | 分類・集計し、反対の結果も確認する | 表、グラフ、例外、追加調査 |
| 4週目 | 結論、限界、次の問いをまとめる | 主張と根拠、言えないこと、AI利用箇所 |
AIを扱う探究で守ること
- 学校が許可したサービスを、対象年齢と利用規約に従って使う
- 氏名、顔、声、成績、健康情報、未公開資料を入力しない
- AIの回答、URL、引用、数字を一次情報として扱わず、原典を確認する
- 他者の文章や画像を入力・公開する前に、著作権と許可を確認する
- アンケートや聞き取りは、目的、匿名性、利用範囲を説明して同意を得る
- 利用したAI、質問文、採用・修正・棄却した内容を記録する
文部科学省のガイドラインは、人間中心の利活用と情報活用能力の育成を基本とし、発達段階、個人情報、著作権、利用規約への配慮を示しています。学校の最新ルールと、利用するサービスの最新規約も確認してください。
実際の探究事例から方法を考える
テーマの規模や成果物を具体化するときは、高校生の探究成果と企業連携PBLの実践事例を見比べると、調査対象、活動期間、表現方法を考えやすくなります。学校全体で活動記録、面談、評価を継続管理する方法は、学校向けTimeTactの機能と活用方法で確認できます。
よくある質問
AIを使わなくてもAIをテーマに探究できますか?
できます。公開資料、利用者への匿名アンケート、学校や地域のルール比較、文化庁資料を用いた事例検討など、AIへ個人情報を入力せずに進められるテーマもあります。
AIが出した仮説をそのまま使ってよいですか?
そのまま採用せず、自分の経験と予備調査を基に書き換えます。仮説は結果を決める答えではなく、どのデータを集めれば確かめられるかを決めるための予想です。
アンケートは何人集めればよいですか?
人数だけでなく、誰にどのように依頼したか、回答者が偏っていないか、回答しなかった人がいるかを記録します。授業の目的と学校の方針に合わせ、先生と相談して無理のない範囲を決めてください。
学校・教育関係者の方へ
探究学習の授業設計やTimeTact活用を相談する
学校の状況に合わせて、探究カリキュラム、教員負担、外部連携についてご案内します。
【高校の探究担当の先生へ】
当メディアを運営する私たちStudy Valleyは「社会とつながる探究学習」を合言葉に、全国の高等学校様へ、探究スペシャリストによる探究支援と、社会とつながるICTツール「高校向け探究学習サービス『TimeTact』」を提供しています。
現在、探究に関する無料相談会を開催中です。探究へのICT活用や外部連携にご興味ある方、お気軽にご連絡下さい。ご予約は探究学習・TimeTactの無料相談フォーム
【企業のCSR広報ご担当者様へ】
CSR広報活動の強い味方!
探究教育を通して、学校と繋がるさまざまなメリットを提供しています。
まずはお気軽に「教育CSRサービスページ」より資料をダウンロードください。
また無料相談も可能です。些細なご相談やご質問、お見積りなど、お気軽にご相談ください。
【この記事の監修者】

田中 悠樹|株式会社Study Valley代表
東京大学大学院卒業後、ゴールドマンサックス証券→リクルートホールディングスに入社。同社にて様々な企業への投資を経験する中で、日本の未来を変えるためには子どもたちへの教育の拡充が重要であると考え、2020年に株式会社Study Valleyを創業。
2020年、経済産業省主催の教育プラットフォームSTEAM ライブラリーの技術開発を担当。
2024年、経済産業省が主催する「イノベーション創出のための学びと社会連携推進に関する研究会」に委員として参加している。











