探究における学習指導や指導計画の評価について解説いたします。
この評価は各学校が作成した指導計画や教師の学習指導が、この時間の目標を効果的に実現する働きをしているのか、それとも改善を図る必要があるのかを評価して明らかにするための取り組みです。これを改善することで、より良い学習効果が望めます。
目次
1. 教師の学習指導の評価
(1)学習指導の評価の基本的な考え方
(2)学習指導の評価項目例
2. 各学校の指導計画の評価
(1)指導計画の評価の基本的な考え方
(2)指導計画の評価項目例
3. 指導計画・学習指導の改善と外部への説明
まとめ
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1. 教師の学習指導の評価
教師の学習指導の評価では、日常の学習指導について生徒に育てようとする力がどのように育まれているのかを生徒の姿を通じて評価することにより、指導・支援の望ましい在り方を探り、改善することを目的としています。
この評価について、基本的な考え方と例を挙げて解説します。
(1)学習指導の評価の基本的な考え方
評価の基本的な考え方について、『高等学校学習指導要領解説 総合的な学習の時間編』では以下の3つが掲示されています。
①生徒の主体性の重視
②具体的で発展的な教材の用意
③適切な指導の在り方
加えて、「学習活動を探究的にすること」と「他者と協働して取り組む学習活動にすること」も取り上げられていることからこれも評価の要所となります。
学習指導の評価は、こうした基本的な考え方に沿って学習指導が行われているかどうかを、多様な評価情報から吟味することで、適切な指導への改善へ活用されます。
(2)学習指導の評価項目例
学習指導の評価は、「高等学校学習指導要領解説 総則編」にある通り、具体的にどのような評価項目・指標等を設定して行うかは、各学校が判断すべきことです。評価項目には、授業の実施方法・状況や指導方法などの以下のようなものがあります。
こうした視点をもち、生徒に育てようとする力が育まれているのかということを観察しましょう。そしてそれとの関係から、実際に行われた学習指導が適切であったか、改善を要するのかどうかを評価することが重要です。
2. 各学校の指導計画の評価
次に、指導計画に評価について、基本的な考え方から評価項目例まで紹介します。
総合的な学習の時間の指導計画作成は、一般的に以下の四つの手順で行われます。
①全体計画
②年間指導計画
③単元計画
④授業計画
指導計画の評価・改善は、この順序を逆にして行うことを考えれば良いでしょう。
もし、計画と生徒の様子にズレがあれば、計画を適切に修正することが求められます。
(1)指導計画の評価の基本的な考え方
指導計画の評価では、以下の五つの項目を吟味することが求められます。
この五つの「目標」「育てようとする資質や能力及び態度」「内容」「学習活動」「指導方法」項目の吟味を通じて、計画を評価し、改善することが必要です。
具体的には、以下のような多様な評価情報をもとに、日常的に改善に生かすことが考えられます。
生徒の学習状況の評価結果
学習活動のエピソード
教師による実践の反省や記録
外部人材や保護者へのアンケート
生徒の思いや考えを汲み取ろうとすれば、教師が事前に立てていた計画とは異なる方向に進んでいくこともあります。生徒の意識を踏まえた必然的な計画の修正ならば、生徒の目線を大切にした、生徒の主体性を発揮する学習活動という面から、充実に向かうものと考えることができます。このような視点も大事にしたいですね。
(2)指導計画の評価項目例
学習指導の評価項目と同様に、指導計画の評価項目も各学校の判断に委ねられています。計画状況や生徒の取り組み状況をはじめとして、以下に参考例を示しています。
生徒の活動状況を把握した指導が適切なものであるかなど、教師の実践状況と生徒の取り組みの様子の一致についての項目が多く見られます。生徒に適した指導を行えているかは評価において大きなポイントになるでしょう。
3.指導計画・学習指導の改善と外部への説明
指導計画や学習指導について評価が行われた後は、それが改善に活用されなければいけません。改善の手順としては以下のものが考えられます。これらを踏まえて、指導計画の改善や学習環境や外部連携との見直しなどを行いましょう。
①評価の資料を収集し、検討すること
②整理した問題点を検討し、原因と結果を明らかにすること
③改善案をつくり、実施すること
また、指導計画の評価に当たっては、教師間の情報交換や全校体制での組織的な評価を進めることも必要です。
なお、評価の結果として蓄積される情報は、何をどのように公開するかを整理しておく必要があります。公平性や客観性、個人情報に配慮することはもちろんとして、公開する内容としては以下のものが考えられます。
・評価結果とその根拠
・今後の取り組みを進めるのに必要な条件
・改善後の生徒の姿や活動の様子
また、公開の方法としては以下の方法が考えられます。
・ウェブページや学校通信の活用
・保護者や地域住民に直接説明する
保護者や外部への説明は、互いに理解し合い、共有することによって、その後の教育活動に協力してもらうことにもつながるでしょう。
まとめ
このような評価活動は、具体的な改善や地域や学校及び生徒の実態に応じた指導計画を作成、適切な学習指導に効果的です。
ぜひ今後の評価活動の参考にしてください。
*この記事は総合的な学習の時間に関する文部科学省の資料を元に、探究学習に臨む先生向けに内容をわかりやすく解説したものです。資料をもとに部分的に簡略化、加筆、言い換えなどを行っています。元資料をご覧になりたい方は「今、求められる力を高める総合的な学習の時間の展開(高等学校編)」第2編第4章をご確認ください。
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【この記事の監修者】
田中 悠樹|株式会社Study Valley代表
東京大学大学院卒業後、ゴールドマンサックス証券→リクルートホールディングスに入社。同社にて様々な企業への投資を経験する中で、日本の未来を変えるためには子どもたちへの教育の拡充が重要であると考え、2020年に株式会社Study Valleyを創業。
2020年、経済産業省主催の教育プラットフォームSTEAM ライブラリーの技術開発を担当。
2024年、経済産業省が主催する「イノベーション創出のための学びと社会連携推進に関する研究会」に委員として参加している。