地元・高知県の企業と連携し探究学習を行っている土佐女子中学高等学校(以下、土佐女子高校)にて、2024年9月18日(水)、株式会社Study Valley(本社:東京都江戸川区、以下、Study Valley)代表の田中が、「地元探究の重要性」をテーマに出前授業を実施しました。
土佐女子高校では2022年4月より始まった「探究学習(総合的な探究の時間)」を通じ、Study Valleyが提供する探究学習サポートプラットフォーム「TimeTact」を活用して、地元高知県の企業がTimeTact上で提供する地域課題に挑戦しています。
今回は土佐女子高校の1年生を対象に、Study Valley代表の田中が「地元探究の重要性」をテーマにグループワークを交えながら、探究学習の必要性や地元企業を探究学習のテーマにする重要性について、オフラインでの出前授業を実施しました。
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土佐女子高校での出前授業概要
土佐女子高校 公式サイトより
日時 | 2024年9月18日(水) |
---|---|
会場 | 土佐女子高校 |
対象者 | 土佐女子高校1年生143名 |
テーマ | 地元探究の重要性 |
内容 | 「そもそもなぜ探究学習が必要なのか:多様性の時代」「主体的な選択に必要な『議論』と『仮説』」「身近なテーマを選択することの重要性」 |
探究学習とは
探究学習とは、日常生活などを通じて自ら課題を設定し、解決に向けて情報を収集・整理・分析したり、周囲の人と意見交換・協働したりしながら進めていく学習活動のことです。複雑で変化の激しい時代の中で、様々な状況に向き合い、他者と協業しながら課題を解決していく能力を養うことが主目的に置かれています。
2018年に発表された新学習指導要領により、2022年から全国の高等学校において「総合的な探究の時間」が必修化されています。
出前授業の内容
今回の出前授業では、まずは探究学習の必要性を伝えた上で、探究学習に必要なスキルや中でも地元探究に取り組む重要性を伝えました。
多様性の時代
みなさん現在すでに探究学習に取り組んでいるかと思いますが、そもそもなぜ探究学習が必要なのか。一言で言うと、「多様性の時代」だからです。最近「多様性」という言葉、よく耳にしますよね。
多様性の時代には、みなさんが自分の人生について自ら選択することができる。しかし逆に言えば、みなさん、自分の人生について、自ら選択しなければならない時代なのです。
「多様な学びとは?みなさんが聞いたことがある〇〇教育を10個上げてください」「みなさんは褒めて伸びるタイプですか?叱られて伸びるタイプですか?」などのグループワークを交えて、選択肢が多い中で自ら選択をする難しさや、主体的に成長することの大切さを伝えました。
主体的な選択に必要な「議論と仮説」
主体的な選択に必要なのは、自分ひとりで考えることではなく、他者と議論をすることです。そしてその「他者との議論」こそが、探究における重要なプロセスです。議論への参加と振り返りを繰り返すことで、課題に対する解決策や、自らが進むべき方向性についても明確にすることができます。
ただし議論には、仮説が必要です。探究学習においては、「いかに議論が活発になる仮説を立てるか」が重要になります。分かりきっている、あるいは壮大すぎて検証が難しい仮説では、議論は活発になりません。
「高知県内で1日に割れるスマホ画面はどれぐらい?仮説立てで重要なスキル『フェルミ推定』をしてみよう」「次に高知県に上陸する全国チェーン店は何?」など、「スマホ」や「全国チェーン店」といった高校生にも馴染みのあるテーマで再びグループワークも実施し、活発な意見が飛び交い、会場は大いに盛り上がっていました。
身近なテーマを選択することの重要性
ではどうすれば、議論が活発になる仮説を立てられるのか。ポイントは、身近なテーマを選択することです。身近なテーマの方が仮説が立てやすく、議論も盛り上がり、仮説の検証もしやすいです。
「探究学習」となると、つい「SDGs」「グローバル」など壮大なテーマで学習をしがちです。そういったテーマを学ぶことも大変素晴らしいのですが、なかなか身近とは言いづらいですよね。
一方で地元企業が実際に取り組んでいる課題であれば、壮大すぎず身近なテーマでありながら、簡単すぎて議論にならないということもありません。実際に企業の方から話を聞いたり、企業に足を運んだりと仮説検証もしやすいです。
地元探究に取り組む重要性を伝えた上で、最後に10月以降にプログラムとして用意されている地元企業の課題を紹介し、本授業を終えました。
土佐女子高校で探究学習を担当している由比先生のご感想
出前授業後、土佐女子高校で探究学習を担当していらっしゃる由比先生にお話をお伺いしました。
探究学習への課題
ーー探究学習へのお取り組みにおいて、どのような点に課題を感じていましたか?
探究学習はまだ始まったばかりで、生徒に重要性を感じてもらったり、身近なテーマに興味を持ってもらったりするのが難しいと感じていました。探究学習がなぜ重要なのかもいまいち腹落ちしないまま、なんとなくで「世界貧困」などの大きなテーマに取り組んでしまい、楽しさや学びを感じられない。そのような事態に陥らないようにまずは身近なテーマに関心を持って欲しいと考えていたのですが、学校内だけで生徒のモチベーションを上げるのにはやはり限界がありました。
TimeTactの導入背景
ーーTimeTactはどのような背景から導入したのでしょうか?
まずは探究学習について、外部のサポートを借りてカリキュラムの体系化をしたいと考えていました。探究学習を進めるには、合意形成や仮説立証といった基礎的なスキルの習得や、適切なテーマの設定、社会とのつながりなどさまざまなポイントを押さえなければなりません。そういったポイントを体系立てて授業を作り上げていくのに、外部の知見は積極的に活用したいと思っていました。
また探究学習をしっかりと進めることで、教員にも生徒にも「探究って面白いんだ」という気付きを得て、学習に繋げられるようにしてほしいという思いもありました。そのためにも、効果的なプログラムを組んで授業をする必要があると考えていました。
生徒のモチベーション向上のための「出前授業」
ーー今回の出前授業でモチベーションへの影響は感じられましたか?
今回彼女たちが盛り上がっていた様子を見て、企業さんとの連携や課題解決が生徒たちに向いていそうだなという実感を得ることができました。興味を持つきっかけさえあれば、あとは自発的にどんどんアイディアを出すような生徒たちなので、うまくいけば地元の企業探究においても高校生らしい柔軟なアイディアを次々に出してくれるのかなと。
本校は中高一貫校で、中学3年生で職場体験を実施しているんですね。今後探究学習として取り組む企業さんの中に、職場体験でお世話になっている企業さんも複数社ありました。職場体験をしてからその企業さんの課題に取り組むと、総合学習も発展的になっていくと思いますので、やはり地元とのつながりは大切にしたいと考えています。そういった意味でも、今回の出前授業で今後の地元探究に期待感を高めることができて良かったです。
おわりに
授業を終えて代表の田中は「とにかく笑いに包まれており、生徒さんたちの活発さが伝わってきた。一方で探究学習や地域探究の重要性を語ると『なるほど』という声も多く耳に入り、今後生徒さんと地元企業さんがどのようなコラボレーションをしていくのか、改めてとても楽しみになった」と話していました。
TimeTactは現在、全国の学校機関約500校に導入いただいており、全国の企業様が提供する生きた問いを200以上掲載しています。学校機関様にTimeTactを導入いただくと、TimeTactに掲載されている地元企業様の問いを中心に、探究学習に取り組むことができます。
またTimeTactを導入いただいた学校様には、生徒たちが実際に取り組んだ課題を提供している企業様を学校に招待し、出前授業を実施することができます。出前授業では企業様から業界や自社の特徴についてお話いただいたり、生徒たちが実際に探究した成果を発表する成果発表会に招待してコメントをいただいたりすることができます。
詳細は「学校様向けTimeTactの紹介ページ」をご確認ください!
【高校の探究担当の先生へ】
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現在、探究に関する無料相談会を開催中です。探究へのICT活用や外部連携にご興味ある方、お気軽にご連絡下さい。ご予約はこちら(2024年3月現在、問い合わせが急増しております。ご希望の方はお早めにご連絡ください)。
【企業のCSR広報ご担当者様へ】
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【この記事の監修者】
田中 悠樹|株式会社Study Valley代表
東京大学大学院卒業後、ゴールドマンサックス証券→リクルートホールディングスに入社。同社にて様々な企業への投資を経験する中で、日本の未来を変えるためには子どもたちへの教育の拡充が重要であると考え、2020年に株式会社Study Valleyを創業。
2020年、経済産業省主催の教育プラットフォームSTEAM ライブラリーの技術開発を担当。
2024年、経済産業省が主催する「イノベーション創出のための学びと社会連携推進に関する研究会」に委員として参加している。