近年、学校教育において学校や科目の枠にとらわれない多様な学びが求められています。新学習指導要領においても、「社会に開かれた教育課程」についての記述があり「どのようにしたら外部を巻き込んだ授業ができるのだろうか」「学校や教科の枠にとらわれない授業はどのようにして作るのだろう」といった疑問を抱くことはないでしょうか?
そこで、近年注目されているのが「出前授業」です。
本記事では出前授業の実施を検討している学校教員向けに、出前授業とはそもそも何か?学校教育における位置付けとは?どんな事例があるのか?準備からフォローアップまで出前授業に関するポイントを解説していきます。
出前授業を実施したい企業担当者向けの解説は「【事例6選】出前授業の実施方法!企業のメリットと検討・準備すべきポイント」で記載しています!
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出前授業とは?学校教育での位置付けを解説
出前授業とは地域社会や専門家と連携し、学校教育の枠を超えた多様な学習機会を提供する重要な手段です。教科外の授業や、教科の中で専門的な授業を行う際によく出前授業がなされています。
近年では探究学習の手段としても広く使われています。出前授業を通して、生徒は実社会の問題解決や専門知識を直接学ぶことができ、教室内の学習だけでは体験できない学びを作ることができます。
学校教育における出前授業の位置付けとは
近年「出前授業」が注目されているのは、新学習指導要領において「資質・能力の三つの柱」「カリキュラム・マネジメント」など、学習指導要領における重要な事項の全ての基盤となる考え方が「社会に開かれた教育課程」であるためです。
参考:社会に開かれた教育課程
文科省による「社会に開かれた教育課程の3つのポイント」の一つに『地域と連携・協働しながら 目指すべき学校教育を実現します。』とあり、その具体的な方法として出前授業が注目されているのです。
近年、コミュニティースクールが注目されているのもこのポイントによるものが大きいでしょう。
出前授業と実地授業の違いは?教育的効果と懸念事項を解説
出前授業について見る上でおさえておきたいのが、出前授業は社会に開かれた教育課程を実現するための一つの方法であるということです。
社会に開かれた教育課程実現に向けては「出前授業」以外にも実地授業など多くの方法があります。実地授業と出前授業の違いは、学習場所として学校外なのか学校に招待するかの違いです。それぞれ形式の違いにより教育的効果も異なっています。
出前授業の教育的効果
- 学校で習わない知識の獲得
出前授業では授業者が普段、学校と関わりの少ない事業をしていることがほとんどです。そのため、出前授業を受けた児童・生徒は学校で学習するだけでは得られない実践的な知識を得ることができます。
例えば、地元の企業が経済学の授業で講演を行うことで、生徒は実際のビジネスがどのようにして行われているのか、直接学ぶことができます。
- 視点の広がり
出前授業ではさまざまなバックグラウンドを持つ講師から学ぶことができます。普段、児童・生徒は、「子ども同士」「教師と子ども」といった限られた人間関係の中で学習しています。その児童・生徒にとって出前授業とは多文化や多様性を学ぶ良い機会となるでしょう。
例えば企業の取り組みを知る出前授業では「科学的な知識の活用」という視点で見たときに、理科の授業で考えるような「科学的な正しさ」だけではなく、「実現するための費用」など、実社会の複雑性のある視点を得ることができます。
- 獲得した知識の活用
普段の授業では、知識ベースの学習になるケースが多く、児童・生徒が学んだ言葉や知識は、授業で学んだ知識でしかなく、実態や現場の声などを感じないままの表面上の学びで止まってしまいます。
本当の意味での知識の獲得には他者との関わりが必要であり、「この知識は何に使われているのだろう?」「この機械を作るにはどんな知識が必要なのだろう」など、児童・生徒が社会と触れることで、学びが「知識を覚える」から「知識を活用する」に変化します。
例えば、アンモニアの生成方法を習った際に理科の授業では「どのような化学式なのか?」という視点で生成方法を見る生徒が多いです。しかし、実社会では「農業用に使うのか」「ダイナマイトなど、工業用に使うのか」といった活用に目を向けることが多いでしょう。このように学校で不足している「獲得した知識の活用」を出前授業の中で補うこともできます。
出前授業の懸念事項
出前授業は実社会と直接つながる実践的な学習ができる一方、実施に向けていくつかの懸念点もあります。
- 講師と児童・生徒とのコミュニケーション
招待した外部の講師は必ずしも教育現場に慣れているとは限りません。講師にとってはどのレベルで児童・生徒に話ができるのか、どのように会話するのが有効かわからない場合がしばしばあります。このような場合、教員は授業の流れをうまく管理し講師と児童・生徒が円滑にコミュニケーションできる必要があるでしょう。
例えば、同じ農業の話をしていても、理科を習った小学生と生物を習った高校生では理解、関心の度合いが違いますよね。このように、小学生と高校生の知識量や興味の違いは現役の教師であれば想像がつきますが、講師の方々はそのレベルがわかっていないケースが多々あります。
- 調整の労力
出前授業をする際にはさまざまな調整が必要になります。まずは講師の選定から始まり、学校の授業と講師との日程を合わせる必要があります。それに伴って、授業の内容もスケジュール調整が必要になります。さらに、講師とも内容に関する調整が必要で、出前授業の計画、実施にはさまざまな調整の労力が掛かります。
- 予算
出前授業は一般的に追加の費用がかかることが多く、特に外部の専門家に謝礼や交通費を支払う必要がある場合があります。学校の予算が限られている中で、これらの費用をどのように賄うかは、計画段階で検討しなければなりません。「出前授業を頼もうと思ったら予算が降りなかった」となっては計画や準備が水の泡になってしまうため、最初に確認するべきでしょう。
出前授業にかかる費用の詳細については、こちらの記事で紹介しています。
出前授業を取り入れることは、生徒にとって有益な学習機会を提供することができます。しかし、成功させるためには、これらの懸念事項に対する対策と準備が不可欠です。教員は、教育的効果を最大限に生かしつつ、課題を管理する方法を見つけることが求められます。
実際にどのような出前授業の事例があるのか、出前授業を成功させるために必要なこととは何かを後述します。
学校別!出前授業の事例6選
実際に行われた出前授業の事例を見て、出前授業について具体的なイメージをしていきましょう。
出前授業は学校種ごとにその内容や講師、団体が違います。そこで本記事ではそれぞれの学校種ごとに分けて事例を見ていきます。
小学校の事例
小学校での出前授業は児童の好奇心を刺激し、学習への興味を引き出すことが重要です。体験活動や実験を通じて、学びを楽しく感じさせ、日常生活との関連を見出させることが重要です。
以下の2つの例からそのイメージをつけましょう。
- ダスキン
ダスキンでは、小学校の掃除の時間に注目し、「なぜ掃除をするのか」「掃除道具の使い方とは」という内容で学校・家庭での掃除に活かしてもらえるような出前授業を展開しています。
キレイのタネまき教室「お掃除について学ぼう」
- 日本郵便
日本郵便では小学校を中心にテキストに沿ってハガキを書き、ポストへの投函までを体験できる出張授業を行なっています。この体験授業は若い世代の教員の「手紙の書き方を教えるのに不安がある」といった生の声をもとに日本郵便が企画したものです。
授業の様子はこちらを参照してください。
参照:手紙の書き方体験授業
中学校の事例
中学校では、生徒の思考力や問題解決能力を育成することに焦点を当てる必要があります。専門家による実践的な知識の提供や、社会的な課題に取り組む機会を設けることで、批判的思考を促すことに繋がります。また各教科とのつながりを意識することも重要です。
以下の2つの例からそのイメージをつけましょう。
- ソニー株式会社
引用元:https://www.sony.co.jp/Products/felica/cashless/
ソニーの行う出前授業では、キャッシュレスを支える電磁誘導の技術の説明を交えながら、「キャッシュレスが普及すると社会がどのように変化するか」という問いをもと授業を行っています。この授業は、家庭科(私たちの消費生活と環境)、社会科(現代社会を捉える枠組み、市場の動きと経済)技術科(情報に関する技術)といった科目との関連しています。
電子マネーから学ぶキャッシュレスと経済の仕組み
- FUJITSU
富士通が行う出前授業では、富士通が実際に商品開発や社会課題解決に用いる「デザイン思考」を体験することにより、中学生の未来の社会を創造する力を養います。この活動により、出前授業ならではの教科外の学びを実現することができます。
デザイン思考で考える富士通SDGsプログラム
高校の事例
高校では、将来のキャリアや専門分野に対する理解を深めることがポイントです。実生活や社会で直接役立つ専門的知識や技能の紹介、また、大学進学に向けた授業を取り入れることが有効となります。また、自身の興味関心をもとに自ら問いを立て、探究することが重要となります。
以下の2つの例からそのイメージをつけましょう。
- 東京都立篠崎高校探究成果発表
篠崎高校では地元、江戸川区の地域課題に取り組み、新たな魅力創生につながるオリジナルプラン作成を目指す、地域探究を行っています。生徒は「農家の人手不足を解消するためのアイディア」「生パスタを使った新メニュー開発」など、実際に地元企業や産業が抱えるリアルな課題に挑戦しています。その探究の成果を株式会社ポポラマーマ、江戸川区農業経営者クラブを招待し、第二回目となる探究学習成果発表会を行いました。
篠崎高校探究成果発表
- 沖縄県内3企業、3校が参加する大型オンライン出前授業-はいさい探究Fes-
株式会社Study Valleyが沖縄で主催する「はいさい探究Fes」では沖縄県内3企業、3校が参加し、参加企業が実際に抱える課題を企業と生徒が一緒になって解決のアイデアを考えました。Study Valleyの社員がファシリテーターとなり、オンラインでも地元企業と生徒がコミュニケーションを図りながら活動をすることができました。
参加の容易さなどオンラインの出前授業ならではの利点が詰まった事例でした。
大型オンライン出前授業「はいさい探究Fes」
学校教員必見!人気の出前授業プログラムを学校種別にご紹介でも出前授業の事例をご紹介しています。
要チェック!出前授業に向けた準備4ステップ!
出前授業を成功させるには、周到に準備することが重要です。出前授業は準備事項が多く、大変ですが、準備を怠ってはいけません。この章では準備の手順に沿ってポイントを解説します。出前授業の準備のイメージをつけましょう。
また、チェックリストを最初にまとめるので、準備をする際に活用してみましょう。
出前授業までのチェックリスト
出前授業に向けた手順とポイントを以下の通りに整理しています。出前授業に向けたチェックリストとして活用しましょう。
工程 | ポイント |
1.講師や団体を探す |
|
2.講師や団体とアポを取る |
|
3.ミーティングに向けた準備 |
|
4.授業後のフォローアップをする |
|
以下の節でそれぞれ詳しくポイントをみていきましょう。
1.講師や団体の探し方
出前授業を実施するにあたり、授業内容や学習目標に最も適した講師や団体を見つけることは、出前授業の準備の中で、最重要です。ここで授業の成功するかどうかが決まるといっても過言ではないでしょう。
- 講師や団体の専門性や経験を確認し、目的と照らし合わせる
- 過去の出前授業や、教育の実践をチェックし、その質を判断する
- 費用面の確認をしておく
これらのポイントをもとに講師や団体を探します。実際に講師や団体の探し方には大きく分けて二つの方法があります。それぞれ整理していきます。
授業内容に合わせて講師や団体を探す
授業内容に合わせて講師や団体を探す方法では、授業のテーマや目指す学びに応じた専門知識を持つ講師を探すことがポイントとなります。そのため専門家データベースを利用したり、大学などの教育関連団体への問い合わせるケースが多いです。
例えば愛媛県では「えひめ学校・地域教育サポーター」データベースがあります。各自治体や大学等のページを確認してみると良いでしょう。また、他校での実施事例を参考にするのも良いでしょう。
講師や団体が提供するパッケージ化されたプログラムから選ぶ
出前授業を行う団体や企業の多くは、学校向けに特別にデザインされた教育プログラムを提供しています。これらを利用することで、準備の手間を大幅に軽減できます。この場合、プログラムの内容が学校の学習目標や生徒の興味に合致しているかを確認することが重要です。
出前授業の紹介サイトや各企業のページを参考に探してみましょう。
例えば出前授業を検索できる出前授業どっとこむや、カルビーの出前授業ページのように各企業のホームページを訪れてみても良いでしょう。
2.講師や団体とのアポの取り方
講師や団体とのアポイントメントを取る際には、内容が具体的であることや、相手への配慮をすることが大切です。アポイントメントの依頼は、単に日程を決めるだけでなく、授業の目標を統一したり、児童・生徒の興味を確認したりと、授業の成功に向けた第一歩となります。
ここではアポを取る際のポイントと、そのポイントを意識した依頼文の例を紹介します。
- 目的の提示
出前授業の目的や期待する成果を明確に伝えることで、依頼相手も授業をイメージしてコミュニケーション、授業の準備ができます。
- 予算の提示
事前に準備した予算感を伝え、授業の規模感のイメージがしやすくなります。依頼相手の準備にも役立つので最初にハッキリ伝えておきましょう。
- 希望する日程の提案
いくつか候補日を用意し、講師や団体の都合を尊重しましょう。通常3つ程度スケジュールをこちらから提示するのが一般的です。
- 対象児童・生徒の概要説明
生徒の年齢層や関心事、授業に対する期待などを伝えましょう。児童・生徒感を伝えることで授業の内容がイメージがしやすくなり、依頼相手が授業の準備がしやすくなります。
これらのポイントを意識して電話やメールなどアポをとりましょう。ここでは、メールの例文を1つみていきましょう。
件名:社会科学の出前授業に関するご依頼
[依頼団体名]ご担当者様
お忙しい中失礼いたします。
[学校名]の[あなたの役職]、[あなたの名前]と申します。
この度は、私たちの学校で実施予定の出前授業について、貴団体に講師を依頼できればと思い、ご連絡させていただきました。
[学校名]では、以前よりーーという活動をしております。授業をお願いしたい○年◇組は、ーーという活動を通して〜〜〜といったことに大変興味があります。
[依頼団体名]様が取り組むーーは、まさに○年◇組が知りたい・体験したい事業だと考えています。
そこで[依頼団体名]様にーーといった内容の授業をいただけないかと考えております。
以下本授業詳細についてお伝えさせていただきます。
授業の対象
本校○年◇組(YY名)
授業目的
[依頼団体名]様が取り組むーーといった活動を通して〜〜についての知識を深めること
予算
一回あたり[XX円]
想定スケジュール
[月]の[第X週]あたりを希望させていただきます。
[依頼団体名]様の専門知識を生徒たちに直接伝えることで、学びに対する新たな視点を提供できると考えております。この機会に、[依頼団体名]様の活動についても生徒たちに広めたいと思っています。
もし可能であれば、[依頼団体名]様のご都合の良い時期に、詳細を話し合うためのオンラインミーティングを1時間ほど設定できればと思います。ミーティングの候補日といたしましては
・ 月 日10:00-13:00
・ 月 日10:00-13:00
・ 月 日10:00-13:00
お手数ですが、ご返信のほどよろしくお願いいたします。
この例文では、出前授業の内容、予算感、スケジュール感、生徒感を明確に伝えることで、講師や団体に対して敬意を表しつつ、具体的な情報提供を行っています。このようなメールにより、スムーズな初対面と有意義な話し合いへとつなげることができます。アポイントメントの取り方一つで、出前授業の成功率を高めることが可能になります。
3.講師や団体とのミーティングへの準備
出前授業の中身を決定するに当たって、講師や団体とのミーティングが重要になります。双方忙しい状況の中、ミーティングはできるだけ時間をかけず、建設的に行いたいところです。以下のポイントをチェックしてミーティングに向けた準備をしましょう。
- 授業内容を整理する
これまでの授業や今回の授業での学びを整理し、講師や団体と授業を組み立てることでより効果的な授業を作ることができます。
- 児童・生徒感を整理する
児童・生徒の内容に対する理解がどの程度なのか、どの程度のレベルであれば理解できるのかを整理することで児童・生徒感に齟齬が生まれず、児童・生徒に合った授業ができます。
- 事務的内容を整理しておく
日程、予算などを整理しておくことでミーティングの回数を減らし、より授業の内容にフォーカスしたミーティングをすることができます。
このように、授業内容のすり合わせと生徒の特性の共有に重点を置き、必要な確認事項を明確にすることで、双方が納得する形での出前授業の計画を立てることができます。
4.授業後のフォローアップ
出前授業の終了後、フォローアップを行うことは、児童・生徒の学習体験の効果を高め、その影響を持続させるために非常に重要です。また、講師や団体へのフォローアップは、将来的にさらなる協力関係を築く基盤となります。
それぞれのフォローは以下のようなポイントに注意して行いましょう。
- 生徒へのフォローアップ
例えば、授業で学んだ内容に基づくプロジェクトやレポートの作成を課題として出すことで、学習した知識を実践的な形で再確認させることができます。また、授業に関する感想や学んだこと、さらに知りたいことを書かせることで、生徒自身の理解を促し、教員がその反応を把握する機会となります。
- 講師や団体へのフォローアップ
出前授業のお礼だけではなく、生徒からの感想をまとめ、送付することは、協力的な関係を維持することに繋がります。これにより、講師や団体も自らの貢献が生徒の学びにどのように影響しているかを把握することができます。
出前授業は授業をして終わりではありません。出前授業後のフォローアップをるることにより、生徒の学びを深め、参加した企業や団体との関係を育むことで、出前授業の価値を最大限に引き出しましょう。
出前授業を成功させるための教師の心構え
出前授業は、生徒に多様な学びの場を提供し、学習に対する興味やモチベーションを高めることができます。しかし、その成功は大きく教師の心構えに依存しています。教師がどのように授業を捉え、生徒を導くかが、出前授業の効果を左右するため、教師には前向きで柔軟な姿勢が求められます。
ここでは、生徒の参加を促す方法と学びを定着させるための教師の働きかけに焦点を当てて解説します。
児童・生徒の参加を促す方法
出前授業の最大の利点は、生徒が実生活に密接に関わるテーマや問題に触れる機会を得られることです。生徒の参加を促すためには、まず、児童・生徒自身の興味や関心を授業内容に見出せるようにすることが重要です。そのために以下のようなポイントを意識しましょう。
- 児童生徒の興味・関心を探る
児童・生徒の参加を促すには、出前授業の計画段階から生徒を巻き込み、どのようなテーマが関心を引くかを探ることが有効です。良いテーマを選ぶほど、授業中に積極的な質問をしたり、児童・生徒の意見や考えを表現することができます。
例えば学校トレーの回収を行う学校では、リサイクルに関する出前授業は児童・生徒にとって魅力的でしょう。
- 講師や団体に事前に児童・生徒の興味やレベルについて情報を提供する
講師や団体に事前に生徒の興味やレベルについて情報を提供し、授業が児童・生徒にとって身近で理解しやすいものになるよう調整をお願いすることも大切です。児童・生徒が授業内容に自分事として関わることができれば、学習への意欲は自然と高まるでしょう。
例えば学校トレーの回収を行う学校の場合、その活動を伝えておくことで、講師や団体がトレーの実例を話したり、トレーの例えを使って、より児童・生徒に内容が伝わる授業を作ることができるでしょう。
学びを定着させるための教師の働きかけ
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【この記事の監修者】
田中 悠樹|株式会社Study Valley代表
東京大学大学院卒業後、ゴールドマンサックス証券→リクルートホールディングスに入社。同社にて様々な企業への投資を経験する中で、日本の未来を変えるためには子どもたちへの教育の拡充が重要であると考え、2020年に株式会社Study Valleyを創業。
2020年、経済産業省主催の教育プラットフォームSTEAM ライブラリーの技術開発を担当。
2024年、経済産業省が主催する「イノベーション創出のための学びと社会連携推進に関する研究会」に委員として参加している。