*この記事は経済産業省「STEAMライブラリー未来の教室」のコンテンツ事業者様に、教材の詳しい内容や使い方のアドバイス、STEAM教育に対する思いなどを取材する連載企画です。
ブレーン株式会社は音楽制作や演奏の映像制作、音楽関連作品の出版などを手がけている会社です。今回はその音楽に接してきた経験を生かし、「音のバリアフリー~音で健康と福祉をもたらす社会づくり」と「ダンスレターで想いを伝える~ダンスとコミュニケーション」の二つのコンテンツを提供してくださっています。
この記事では、「ダンスレターで想いを伝える~ダンスとコミュニケーション」のコンテンツの魅力や制作の背景について、ブレーンの原様に、弊社代表の田中悠樹がお話を伺いました。
「音のバリアフリーから共生社会を考えよう」のインタビューはこちら
原直史様 プロフィール
2008年ブレーン株式会社入社。現在、営業推進部課長。「音楽」もしくは「教育」を軸に、楽譜や書籍等の出版物、CD・DVD等の音声・映像コンテンツ開発に従事。今気になっているのは「部活動の地域移行」「STEAM教育」「幼児教育」「教員の新研修制度」。
ブレーン株式会社
ブレーン株式会社は、人種、心情、宗教そして国境をも越える「音楽」を通じて世界の人々をつなぎ、次代を築く子供たちに貢献するという志のもと、映像・音楽制作、楽譜などの出版、教育事業、国際交流事業を行なっている会社です。
クラシック音楽・吹奏楽・合唱などを中心とした音響映像収録や演奏旅行の企画運営で、学校の部活動とも関わっています。
コンテンツについて
タイトル | ダンスレターで想いを伝える~ダンスとコミュニケーション |
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学年 | 中学 |
キーワード | マーケティング、健康、SNS、コミュニケーション、体育、ダンス、YouTube |
URL | https://www.steam-library.go.jp/content/109 |
このコンテンツの目的
ダンス・コミュニケーションを軸にコミュニケーションの本質について考えながら、教材の後半ではダンスの実技に入ります。グループを作り、メッセージを伝えるダンス動画「ダンスレター」を企画・制作します。
ダンスそのものへの学びに加え、必修化のねらいの一つである「ダンスを通した友達や仲間とのコミュニケーション」にスポットを当てつつ、コミュニケーションの本質への学びを深めることも企図します。グループワークではチームビルディングを、創作パートでは言語&非言語コミュニケーション能力の向上を目指します。
このテーマを選んだ背景
▲1コマ目より引用:「ダンス・コミュニケーション」について考える より
(田中)それでは、ダンスとコミュニケーションのテーマを選ばれた理由についてお聞かせください。
(原)まずSTEAMライブラリーのコンテンツに体育系のものが少なかったため、体育系のコンテンツを作ろうとなりました。その時に、接点のあったダンスの先生との話がきっかけでダンスがテーマになりました。さらに、CMでダンスが使われているものが多いことから、ダンスにはコミュニケーションの可能性があると気づき、ダンスとコミュニケーションがテーマになっています。
(田中)先生とはどんな話をされたんですか?
(原)従来のダンス教材の問題点と改善案について話しました。「世の中に出回るダンス教材は表現を強調したものが多く、いきなり自由に表現しようというのはハードルが高い」ことと「より取り組みやすくするには基本的な枠を決めてあげた方が良い」という意見を先生からいただきました。
(田中)コンテンツのキーワードに「マーケティング」も入っていますが、ダンスとどのように関連しているのでしょうか?
(原)CMで使われるなど、ダンスとマーケティングとの親和性は高いです。CMでは限られた時間の中で商品のことを伝える必要がありますが、商品名にかけた振り付けだと商品名が頭に入ります。簡単な振り付けならば誰でも真似できるので、CMについて周りの人と共有してもらうこともできます。そのような仕掛けを、自分たちで分析してみたら面白いと思い、マーケティングの要素も入れました。
従来のダンス教材より取り組みやすく
▲参考演技:仲間との思い出を形に×SNS(2コマ目より引用:ダンスレターを構成しよう より)
(田中)このコンテンツの特徴について教えてください。
(原)CMのダンスという身近なところから入り、それらを真似しながら創作できるので、ダンス経験がなくても取り組みやすいのが特徴です。
コンテンツは、CMのダンスを例に動きや構図の意図を分析し、その後に自分たちでもダンスを作ってみようという流れになっています。座学があっていろいろ考えた上で、最後の表現としてダンスがあるので、半分座学、半分実技というイメージですね。どのコマも繋がっているので、順番通りお使いください。
踊れなくても指導資料があるので大丈夫
(田中)ありがとうございます。ダンスの指導は踊れなくて不安という先生の声をお聞きしますが、それに対してはどのように対策されていますか?
(原)本コンテンツではダンスのレッスン動画や参考動画、授業の指導方法資料を揃えています。先生は議論をリードしたり、子どもたちにヒントをあげるだけで大丈夫です。
レッスン動画
▲3コマ目より引用:ダンスレターを完成させよう より
(原)基本的なステップを十三種類ほど提示して、それをアレンジしてみようというワークがあります。ステップのマネから入って、さらにアレンジをしてみて、創作に入っていく流れになります。先生がダンスを教えられなくても安心です。
参考演技
▲参考演技:ずっとあなたが好きでした(2コマ目より引用:ダンスレターを構成しよう より)
(原)参考演技も動画3つ掲載しています。ワークでは、「誰か」に「何か」を伝えるために何が必要かを考え独自のダンスレターを考えていきます。自分たちだけで考えるのが難しい場合は、参考動画を見てイメージを膨らませましょう。早めに動画を撮ってみるのもおすすめです。実際にやってみると生徒も恥ずかしさを克服して取り組んでくれると思います。
指導方法
▲1コマ目より引用:「ダンス・コミュニケーション」について考える より
(原)細かい時間配分や教え方、評価方法について書かれています。ダンスを教えるのが不安でも安心です。
導入の問いについて
(田中)次にコンテンツの使い方についてお聞かせください。生徒の興味を引くための導入の疑問はどのようなものが良いでしょうか?
(原)CMダンス関連の疑問がいいと思います。「CMのダンスで印象に残っているものある?」とかですかね。「CM ダンス」で調べてみるのも面白いと思います。
(田中)今回コンテンツ制作に当たってたくさんCMをご覧になったと思うんですが、その中で原さんの好きなCMダンスってなんですか?
(原)豆乳グルトのCMは意図がわかりやすくて好きです。例えば、朝のシチュエーションなのは朝に飲んで欲しいからだろうなといった意図が読み取れるので、今回コンテンツでも紹介しています。
まとめ
原様、今回はありがとうございました。こちらの記事では、提供してくださった二つのコンテンツのうち「ダンスレターで想いを伝える~ダンスとコミュニケーション」のコンテンツを紹介させていただきました。
今回紹介したコンテンツ:「ダンスレターで想いを伝える~ダンスとコミュニケーション」
「音のバリアフリー」の紹介記事もぜひお読みください。