STEAMライブラリー

社会起業家探究プログラム「SOCIAL BUSINESS」~株式会社スマイルバトン~

*この記事は経済産業省「STEAMライブラリー未来の教室」のコンテンツ事業者様に、教材の詳しい内容や使い方のアドバイス、STEAM教育に対する思いなどを取材する連載企画です。

株式会社スマイルバトン(以下、スマイルバトン)は、「先生の学校」というプラットフォームを提供しています。「先生と子ども、両者の人生を豊かにする」という理念のもと、先生向けに良質なコンテンツを提供すると共に、気軽に繋がり学び合えるオンライン・オフラインのコミュニティの場を運営されています。

今回は、ロールモデルとなる若手社会起業家に出会い、社会課題解決につながるミッションを提供する探究型コンテンツとして、社会起業家探究プログラム「SOCIAL BUSINESS」を提供していただきました。

このコンテンツの魅力について、スマイルバトンの三原様と芝田様に、弊社代表の田中悠樹がお話を伺いました。

目次
コンテンツ制作の背景
社会起業家を題材にした理由
このコンテンツ制作でこだわったところ
・社会起業家に詳しくない先生でも安心のガイドブック
・起業家の想いが伝わるように構成・編集された映像
いつこのコンテンツを使うべき?
お二人が探究されていること
まとめ

三原 菜央様 プロフィール


1984年岐阜県生まれ。大学卒業後、8年間専門学校・大学の教員をしながら学校広報に携わる。その後ベンチャー企業を経て、株式会社リクルートライフスタイルにて広報PRや企画職に従事。学校と企業に勤めた経験から「先生たちに新しい視点を届け、先生と子ども、両者の人生をより豊かにしたい」という想いが強くなり、2016年9月に『先生の学校』を立ち上げる。2020年3月にボーダレス・ジャパンに参画し、「子どもたちに誇れる社会をつくる」をミッションに掲げる株式会社スマイルバトンを創業。

芝田 陽介様 プロフィール


ソーシャルデザイナー。東日本大震災以降、ソーシャルセクターでNPOの広報支援に従事。対象を際立たせ差別化するデザインではなく、社会の違いを調和し、融合していくためのデザインを実践している。2021年8月よりスマイルバトンに参画。誰もが「本質的課題を可視化し、伝わるカタチで伝えられる」ことを目指し、デザイン教育に力を入れている。

株式会社スマイルバトン

スマイルバトンは、教えて育む教育を超え、時代に合った「きょういく」の形を探究し、創造するコミュニティ『先生の学校』を2016年9⽉より運営しています。「先⽣の学校」は、より良い教育を⼦どもたちに提供したいという思いを持った先⽣に向け、良質なコンテンツを提供すると共に、先⽣同⼠が気軽に繋がり学び合えるオンライン・オフラインのコミュニティの場を提供しています。

コンテンツについて

タイトル社会起業家探究プログラム「SOCIAL BUSINESS」
・ソーシャルビジネスとは?
・ソーシャルコンセプトを書く
・ビジネスプランを考える
・プレゼンテーションを学ぶ
学年中学生、高校生
キーワード社会起業家、ソーシャルビジネス、環境問題、エネルギー、ビジネス など
URLhttps://www.steam-library.go.jp/content/98

コンテンツの目的

本コンテンツは、若手社会起業家から出されるミッションに沿ってソーシャルビジネスを立案する探究プログラムです。ソーシャルビジネスの理解から立案までを体験することができます。変化の激しい時代に、新しい価値を生み出す力、課題解決力、論理的思考力、コミュニケーション力など、自分らしく生きるために必要な力を育むことを目指したプログラムです。

ソーシャルビジネスとは?
社会問題の解決を行うビジネスのこと。ボランティアとは違い、お金を生み出すビジネスの要素があることが特徴。経済産業省では、「社会性」「事業性」「革新性」の3つの要素を満たす事業をソーシャルビジネスとして定義しています。

社会起業家とは?
社会起業家は、社会変革の担い手として、社会の課題を、事業により解決する人のこと。ソーシャルビジネスを行う人である。

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コンテンツ制作の背景

▲引用:1コマ目「ソーシャルビジネスとは?」

(田中)このコンテンツ作成に至った背景をお聞きしてもよろしいでしょうか。

(三原)STEAMライブラリーを教育現場でもっと活用してほしいという思いで、今回このコンテンツ制作に取り組みました。

学校は変化が起きにくい組織体質とよく言われますが、その中でも、常に何のために教育をやっているのかを忘れずに、未来のために考え、行動できる先生がいます。そのような先生の共通点は、越境先やサードプレイスともいうべき、学校以外の居場所を持っていることです。学校を出たら全然違う世界が広がっている、ということを知っているだけでも、固定観念から自由になることにつながります。STEAM的な学び・考え方もこの越境体験に通じると考えておりまして、子どもたちはもちろんですが、STEAMライブラリーを通じて越境体験をする先生が一人でも増えてほしいなと思っています。

社会起業家を題材にした理由

(田中)ありがとうございます。それでは、次になぜ社会起業家を題材にされたのかお聞きしても良いでしょうか?

(三原)私の経験から、「起業することが人を学習者にする」と感じたのが一番のきっかけですね。私自身が起業した時、どうして起業するのか、どうしたら価値あるサービスにできるのか、STEAMのような思考をフル稼働させて考えていました。そのような経験を通じて、起業することは、人が学習するために非常に良いコンテンツだと思いました。また、スマイルバトンが所属するボーダレスグループとしての強みが活かせるのが社会起業家だ、と思ったのも一つの理由です。

ボーダレスグループ
数々のソーシャルビジネスを展開する「ボーダレス・ジャパン」に参画する起業家、事業者の総称。教育、貧困、障害者支援など40を超える事業を展開している。

このコンテンツ制作でこだわったところ

▲引用:1コマ目「ソーシャルビジネスとは?」

(田中)今回初めてのコンテンツ制作とのことですが、何かこだわった点などあればお聞かせください。

起業に詳しくない先生でも安心のガイドブック

(三原)先生向けのガイドブックを丁寧に作成しています。「起業に関して詳しくなくて、教えるのが不安」という方も安心してお使いいただけると思います。


先生用ガイドは4つのチャプターそれぞれに用意されている

起業家の想いが伝わるように構成・編集された映像


▲引用:1コマ目「ソーシャルビジネスとは?」

(芝田)映像にも特にこだわりました。構成もそうですが、動画のつなぎ、表情や見せ方、光のあて方にまでこだわってとっているので、ぜひ見ていただきたいです。実際、見ていただいた先生方からは「内容はもちろん、映像もとてもよかった」というお声をいただいています。

このコンテンツをいつ使うべき?

(田中)このコンテンツはいつ頃使うべきでしょうか?

(三原)使い方をアレンジしていただければ、使うタイミングはいつでも良いと思います。このコンテンツは総合的な探究の時間に活用していただくことを想定し、15時間で組んでいるので、探究学習で何をするか決まっていない学校では、ぜひすべてを通して使っていただけたらと思います。

「社会起業」や「ソーシャルビジネス」が何か全然わからない、という場合でも、コンテンツの前半で、それらについて深堀りする時間をとっていますので、ご安心ください。

コンテンツで取り上げられているソーシャルビジネス


■日本の低い市民意識の課題に取り組む
■環境負荷の少ない農法の方を通して地球温暖化の課題に取り組む
■自然エネルギーを使ってCO2排出量を減らす取り組み
■小中学生の不登校問題に取り組む

それぞれの課題に取り組む社会起業家のインタビューとケーススタディがあります。

お二人が探究されていること

(田中)それでは、最後にお二人が個人的に探究されていることについてお聞かせください。

(三原)最近は「デザイン×教育」に関心があります。見栄えとしてのデザインはもちろんですが、デザイン思考やデザイン経営を、教育の分野で応用できないかと考えています。「先生の学校」もこの考えを取り入れ、2020年から教育メディアとコミュニティの掛け合わせというサービスを始め、会員数はいま2,000名を超えました。

デザイン思考・デザイン経営
デザイナーやクリエイターが使う思考プロセスを活用し、前例のない課題や未知の問題に対して最適な解決を図るための思考法、経営手法。

製品・サービスの開発が先に行われ、その後にユーザーの意見を求める(プロダクトアウト)のではなく、市場(マーケット)や購買者の立場に立ってユーザーが必要とするものを提供していこうとする「マーケットイン」の考え方が特徴。

(三原)学校に関して、時にはネガティブな報道も見られますが、すごく素晴らしいことをしている学校はたくさんあって、そういう学校のことを発信する、良いことを広めていくために、「デザイン×教育」はすごく可能性があると思います。

(芝田)僕は「課題解決型デザイナーを育て、増やす」ことを探究しています。これまで世の中のデザインはずっと「発展ベース」、つまり、世の中を豊かにする、発展させる方向へばかり向いていました。しかし、発展の影で、解決しきれていない問題や、答えが見つからない問題があり、それらはもう目を背けられない状態になっています。ソーシャルセクター(社会課題解決を目的とした組織・団体)として、社会にどう共感を生むか、どういうコンテンツで、どういう設計で解決に向かうのか、そもそも、本質的な問いを立て問題に取り組む人材をどう育てるのかも含めて、デザインやデザイン教育ができることを探究しています。

まとめ

三原様、芝田様、今回は貴重なお時間をありがとうございました。

「社会起業家」は生徒にも先生にも馴染みがあまりないかもしれません。難しいと不安に思う先生方もいらっしゃるかもしれませんが、わかりやすいよう工夫されたコンテンツになりますので、安心してお使いいただけるかと思います。

>今回のコンテンツ『社会起業家探究プログラム「SOCIAL BUSINESS」』

ABOUT ME
この記事を書いた人:Study Valley 編集部
探究No.1メディア”Far East Tokyo”編集部です!執筆陣は、教育コンサルタント、元教員、教育学部大学院生など、先生方と同じく、教育に熱い思いを持つStudy Valleyのスタッフ陣です。子どもたちがわくわく探究する姿を思い浮かべながら制作しています!先生方のお役に立ちますように。Twitterフォローで記事更新情報が届きます。
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【この記事の監修者】

田中 悠樹|株式会社Study Valley代表

田中 悠樹|株式会社Study Valley代表

東京大学大学院卒業後、ゴールドマンサックス証券→リクルートホールディングスに入社。同社にて様々な企業への投資を経験する中で、日本の未来を変えるためには子どもたちへの教育の拡充が重要であると考え、2020年に株式会社Study Valleyを創業。
2020年、経済産業省主催の教育プラットフォームSTEAM ライブラリーの技術開発を担当。
2024年、経済産業省が主催する「イノベーション創出のための学びと社会連携推進に関する研究会」に委員として参加している。