探究学習

高校の先生に知ってほしい「Z世代」の特徴と彼らが社会に求めるもの

いまの高校生は「Z世代」と言われるけど、それってどういうもの?
Z世代はこれからの社会に何を求めているの?

私たちStudyValleyは「社会とつながる探究学習」を合言葉に、高校の先生や塾の先生方へ、探究学習を効果的に行えるICTツールの提供や、コンサルティングサービスを行っています。

先生方とお話する中で、冒頭のようなご相談をよくいただきます。

2022年現在、探究に取り組む高校生たちもまさにZ世代です。

そこで、この記事では Z世代のもつ特徴・価値観、 Z世代が社会に求めるもの・与える影響などを解説します。

Z世代とは、世界でも約1/3の割合を占めるといわれる、新しい世代で、おおむね1990年半ば〜2010年代生まれの世代のことを言います。世界的に非常に影響力が高まっており、日本でも同様にZ世代への注目が高まっています。

彼らの大きな特徴の1つが「デジタルネイティブ」であることで、これまでの世代とは価値観や特徴も大きく異なります。

情報の収集の方法や選び方、多様性に対する感度の高さ、自分らしさなどの個人の尊重など、Z世代の育ってきた環境や経済状況が大きく影響を与えています。

今後の世界で台頭するZ世代を理解することは、企業・社会ともに非常に重要なことであり、探究学習においても、Z世代のことを知っておくことは、探究テーマや課題の見つけ方などに役に立ちます。

この記事を最後まで読むことで、Z世代とはどういう性質をもった世代なのか基本を理解できるので、ぜひ参考にしてください。

目次
Z世代とは?
・Z世代の語源や意味
・Z世代の年齢とミレニアル世代との違い
Z世代のもつ特徴・価値観
・デジタルネイティブである
・自分の価値観を重視しブランドにこだわらない
・社会問題・環境問題への関心が高い
・経済感覚は安定志向
・多様性・ダイバーシティの意識が高い
・同調志向がある
Z世代が社会に与える影響とは
・すでにZ世代が消費の中心になっている
・企業でもZ世代の価値観を取り入れる必要がある

高校/学校の探究担当の先生向け探究学習支援サービス『TimeTact』 CSRの枠を超えた教育投資『TimeTact』

【高校の探究担当の先生へ】
当メディアを運営する私たちStudy Valleyは「社会とつながる探究学習」を合言葉に、全国の高等学校様へ、探究スペシャリストによる探究支援と、社会とつながるICTツール「高校向け探究学習サービス『TimeTact』」を提供しています。

現在、探究に関する無料相談会を開催中です。探究へのICT活用や外部連携にご興味ある方、お気軽にご連絡下さい。ご予約はこちら(2024年3月現在、問い合わせが急増しております。ご希望の方はお早めにご連絡ください)。

【企業のCSR広報ご担当者様へ】
CSR広報活動の強い味方!
探究教育を通して、学校と繋がるさまざまなメリットを提供しています。


まずはお気軽に「教育CSRサービスページ」より資料をダウンロードください。
また無料相談も可能です。些細なご相談やご質問、お見積りなど、お気軽にご相談ください。

Z世代とは?

Z世代という言葉は浸透していますが、言葉の正しい意味を知らない方は多いのではないでしょうか。ここではZ世代の語源や、Z世代を指す年代と他の世代との違いについて、それぞれ解説していきます。

Z世代の語源や意味

Z世代という言葉は、アメリカの世代分類の1つとして「ジェネレーションZ」から生まれました。

元々はアメリカで1960年代から1970年代に生まれた世代を「ジェネレーションX(X世代)」と名付けたことに始まります。その後に続く世代を約10年単位で区切り「Y世代」「Z世代」と呼ばれています。

生まれた時からインターネットやデジタルデバイスがある環境のため、デジタルネイティブの始まり世代でもあります。

世代による特徴は、各国の文化や経済などの影響も大きいため、一概に海外のZ世代の特徴をあてはめることはできません。日本のZ世代の特徴は日本国内の事情を踏まえて考える必要があります。

Z世代の年齢は研究によって区切られる年代が前後するため、明確な定義はありませんが、1990年半ば〜2010年代生まれの世代を指します。

主な世代の内訳は、以下のようになっています。

X世代1960年半ば~1970年代生まれ
Y世代1980年代~1990年半ば生まれ
Z世代1990年半ば~2010年代生まれ
α世代2010年代~2020年半ば生まれ

Z世代の年齢とミレニアル世代との違い

Z世代と対比されることが多い世代として「ミレニアル世代」があります。ミレニアル世代も明確な定義はありませんが、元は2000年代に成人を迎えた世代という意味で、1980年代〜1990年代生まれの世代です。

どちらも若者世代として代表される世代ですが、似た価値観を持ちながらも、それぞれ違った特性をもっています。

Z世代とミレニアル世代との違いは、大きく以下があげられます。

・時代背景の違い
・購買行動の違い
・デジタルの強さ

Z世代とミレニアル世代との違い

ミレニアル世代Z世代
時代背景の違いぎりぎりバブル景気を経験好景気を知らず、安定志向のリアリストが多い
購買行動の違い体験に価値を求める「コト消費」を好むよりパーソナライズされた「コト」「モノ」消費を好む。ブランドには興味なし
デジタルの強さ社会のデジタル化とともに育った「デジタルパイオニア」生まれたときからデジタル環境が当たり前の「デジタルネイティブ」

Z世代はバブル崩壊後に生まれ、好景気を知らないまま、リーマンショックなどの経済危機、それに続く不景気を経験してきました。なので、ぎりぎりバブル景気を知っているミレニアル世代に比べてリアリストが多いことが特徴です。安定思考で、身の丈に合った生活を好む傾向があります。

そのため、購買行動でもよりコストパフォーマンスを重視するのがZ世代です。どちらの世代も体験に価値を求める「コト消費」を好むことは似ています。しかし、特にZ世代はパーソナライズされた「モノ」や「コト」など、自分らしさを好みます。逆にブランドやラグジュアリーなものは重視しない傾向にあります。

また、Z世代とミレニアル世代はどちらもデジタルに強い特徴を持っています。Z世代は生まれた時からインターネットが整った環境に生まれたデジタルネイティブです。一方でミレニアル世代は、インターネットが急速に普及していった環境で育ったため、デジタルパイオニアとも呼ばれています。

このように、似た価値観を持ちながらも、違った特性をもつミレニアム世代とZ世代。より正確に理解するためには「若者」とひとくくりにせず、世代ごとの背景や価値観を理解することが大切です。

Z世代のもつ特徴・価値観

Z世代の特徴は、彼らが育ってきた日本の環境に大きく影響を受けています。ここでは日本のZ世代の特徴や価値観について、それぞれ解説していきます。

デジタルネイティブである

Z世代は生まれた時からネット環境が整い、パソコンやスマートフォンなどのデジタルデバイスに囲まれて育ちました。

情報収集の感度が高く、自らSNSや検索エンジンを使って調べていきます。テレビや新聞で情報を得ていた世代と違い、過多ともいえる情報の中から、自分に必要な情報の取捨選択ができます。

そのためサービスや商品を選ぶ基準も、自身で検索して得た情報や、口コミなどを見て納得した情報が基準です。

自分の価値観を重視しブランドにこだわらない

ものやサービスを購入する際に、有名なブランドであることよりも、自分の価値観にあっているかを大切にしています。

企業名やブランドよりも、自分らしさを表現できる商品や、価値観に共感することが重要と考えています。より自分に合うものや価値観に近いものを選ぶため、パーソナライズされたものを好む傾向です。

また、Z世代はバブル崩壊後に生まれ、好景気を経験していないことから、現実的でコストパフォーマンスを重視する傾向があります。

企業から与えられる情報ではなく、品質や性能、インフルエンサーや友人など信頼できる人からの口コミなど、自分が納得できる価値があるかを十分に調べて購入します。

社会問題・環境問題への関心が高い

Z世代は、日本での東日本大震災をはじめとする災害をリアルタイムに経験してきました。また、SNSを通して、日常的に社会問題や環境問題といった、世界中のあらゆる情報に触れています。

そのため、SDGsなどの環境問題や、多様性に関する問題に強い関心があります。自分の意見をSNSで発信するなど、当事者の意識を持ちながら取り組んでいることも特徴です。

経済感覚は安定志向

生まれてから不況が続く環境で育ってきたZ世代は、現実的で保守的な傾向があります。そのため、金銭感覚も堅実です。

購買行動ではブランドや企業のネームバリューではなく、コストパフォーマンスを重視しています。

また、所有することに強いこだわりがないため、シェアドサービスやサブスクリプションサービスの利用が多いことも特徴です。

多様性・ダイバーシティの意識が高い

小さいころから人権教育を受けているため、多様性の考えを自然と身につけています。性別・国籍・人種、考え方や価値観などの違いを大切にしています。

多様な人々と同じ教育を受ける、インクルージョン教育も推進されているため、個性を認める多様性やダイバーシティの重要性を理解しています。

同調志向がある

Z世代は、個々の価値観や個性を大切にしています。SNSを活用して自己を表現することで、他者からの承認を求めています。

一方で、周囲から浮きたくないという同調志向もあり、他人からの評価を気にする傾向も特徴です。

SNS上の炎上などもリアルタイムで見ているため、他者とのつながりを重視する一方で、評価に敏感な面も持ち合わせています。

Z世代が社会に与える影響とは

Z世代が占める世界人口の割合は、2019年には既に32%を占めるとブルームバーグの統計で出されています。データからも、今後の世界でZ世代が人口に占める割合はより高まり、注目すべき世代であることが分かります。

すでにZ世代が消費の中心になっている

さらに、米国では総消費の40%をZ世代が占めるというデータもあり、将来的に影響力が高まることは確実です。

日本では少子高齢化の影響もあり、世界と比べるとZ世代の人口は比較的少ないです。しかし、世界の傾向からも、日本国内でも同様にZ世代の影響力が高まることは必死です。特に団塊の世代が高齢化する「2025年問題」を迎える頃には、消費の中心は若者世代に移ることが容易に想像できます。

企業でもZ世代の価値観を取り入れる必要がある

また、労働力の主戦力としてもZ世代は非常に重要な役割をになっていきます。新しい技術や価値観など、若者世代のビジネスに移行していくうえで、デジタルネイティブかつグローバル感覚の高いZ世代は非常に重要な存在です。

Z世代の社会への影響が高まるということは、社会が新しい価値観を取り入れる必要がある、ということでもあります。

逆に、Z世代が社会や企業に求めているものは、彼らの価値観をベースにしたものです。

・自分らしさを最も大切にする価値観
・企業の理念や社会貢献への関心
・安定性や社会性を重視
・ワークライフバランスの重視
・知名度や収入の優先順位の低下
・会社への所属意識の低下

以上のように、企業や社会との関わり方がより、主体的になっています。

今後、Z世代をターゲットにしていく企業は、サービスだけではなく採用においても、広くZ世代のもつ価値観を理解しておく必要があると言えます。

まとめ

Z世代はこれまでの社会情勢や経済的な影響を受けながら育ち、新たな価値観をもった世代です。世界的にも占める人口の割合も大きく、日本でもこれから影響力を増すことが考えられます。

Z世代の新たな感性や価値観が、今後は世界的にもスタンダードにシフトしていくことは間違いありません。その中でZ世代よりも上の世代や企業は、新たな価値観や変化を受け入れていくことが求められています。

探究テーマを考えるうえでも「Z世代の特徴」を意識することがより主体的な学びにつながる可能性があります。ぜひ参考にしてみてください。

ABOUT ME
この記事を書いた人:Study Valley 編集部
探究No.1メディア”Far East Tokyo”編集部です!執筆陣は、教育コンサルタント、元教員、教育学部大学院生など、先生方と同じく、教育に熱い思いを持つStudy Valleyのスタッフ陣です。子どもたちがわくわく探究する姿を思い浮かべながら制作しています!先生方のお役に立ちますように。Twitterフォローで記事更新情報が届きます。
高校/学校の探究担当の先生向け探究学習支援サービス『TimeTact』 CSRの枠を超えた教育投資『TimeTact』

【高校の探究担当の先生へ】
当メディアを運営する私たちStudy Valleyは「社会とつながる探究学習」を合言葉に、全国の高等学校様へ、探究スペシャリストによる探究支援と、社会とつながるICTツール「高校向け探究学習サービス『TimeTact』」を提供しています。

現在、探究に関する無料相談会を開催中です。探究へのICT活用や外部連携にご興味ある方、お気軽にご連絡下さい。ご予約はこちら(2024年3月現在、問い合わせが急増しております。ご希望の方はお早めにご連絡ください)。

【企業のCSR広報ご担当者様へ】
CSR広報活動の強い味方!
探究教育を通して、学校と繋がるさまざまなメリットを提供しています。


まずはお気軽に「教育CSRサービスページ」より資料をダウンロードください。
また無料相談も可能です。些細なご相談やご質問、お見積りなど、お気軽にご相談ください。

【この記事の監修者】

田中 悠樹|株式会社Study Valley代表

田中 悠樹|株式会社Study Valley代表

東京大学大学院卒業後、ゴールドマンサックス証券→リクルートホールディングスに入社。同社にて様々な企業への投資を経験する中で、日本の未来を変えるためには子どもたちへの教育の拡充が重要であると考え、2020年に株式会社Study Valleyを創業。
2020年、経済産業省主催の教育プラットフォームSTEAM ライブラリーの技術開発を担当。
2024年、経済産業省が主催する「イノベーション創出のための学びと社会連携推進に関する研究会」に委員として参加している。