ひなた探究/宮崎

【レポート】宮崎商業高校1年生が地元企業の課題を探究!ひなた探究プロジェクトの中間成果発表会

地元宮崎の企業が抱える活きた課題を解決する探究学習を行っている宮崎県立宮崎商業高等学校(宮崎県宮崎市、以下、宮崎商業高校)は、2024年9月10日(火) 、県内7企業とともに、探究学習の中間成果発表会を行いました。

宮崎商業高校は2022年4月より始まった「探究学習(総合的な探究の時間)」を通じ、私たちStudy Valleyが提供する探究学習プラットフォーム「TimeTact」を通して地域探究を行っています。宮崎県の企業が抱える活きた課題に取り組み、新たな魅力創生につながるオリジナルプラン作成を目指しています。

宮崎商業高校の1年生247名は2024年4月から地域探究に取り組みつつ、探究学習において重要な仮説検証方法の1つである「インタビュー調査」について学んできました。企業の課題に取り組むにあたり必要な情報を得るために、インタビュー調査を実践してきました。今回の中間成果発表会では、インタビュー調査の結果とそこから得られる考察を企業に発表し、企業担当者からコメントを得ました。

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宮崎県内の高校生と地元企業をつなぐ「ひなた探究」

探究学習は、①問題設定、②情報の収集、③分析、④まとめ・表現、というプロセスを繰り返すプロジェクト型の学習です。変化の激しい社会に対応できるように、よりよく課題を解決し、自己の生き方を考えていくための資質・能力を育成することを目標にしており、2022年4月から高校で必修化されています。

また、これまで文部科学省は、地域の学習環境を活用し、実社会や実生活の課題を取り上げ、教員以外のメンバーも参画した「チームとしての学校」を提唱してきました(【総合的な探究の時間編】高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説より )。

教育効果に加えて、教員の働き方改革の文脈でも注目を集めている学校の地域連携は、探究学習においても、重要とされています。

株式会社テレビ宮崎(以下:UMK テレビ宮崎)とStudyValleyは 、2022年度からICT教材(TimeTact)で高校生の探究学習をサポートする「ひなた探究」を実施しています。探究学習という新しい授業の中で、宮崎県内の高校生と企業をつなぎ、地元の大人が一丸となって高校生の探究学習をサポートし、地域の人材育成と新しい価値の創造を目指す取り組みです。

探究中間成果発表会の概要

開催概要開催日:2024年9月10日(火)
方法:対面(一部オンライン)
参加企業(順不同)株式会社スズキ自販宮崎宮崎歯科技術専門学校有限会社永峰養豚場様株式会社風来軒株式会社緒方塗装株式会社フレッシュ青果株式会社南九州みかど
実施内容1. 生徒によるインタビュー調査成果の発表(2分×6班)
2.その内容についてディスカッション、企業からのフィードバック(3分×6班)
3.参加企業による総括
実施のねらい地元の高校生と企業が直接結びつくことで、新たな地域価値創造を一緒に目指す

生徒が取り組んでいる探究テーマ例

企業テーマ
株式会社スズキ自販宮崎自動車を身近に・・・!スズキ自動車宮崎ができる、高校生に対する最新店舗イベントとは?
宮崎歯科技術専門学校皆がもっと自分の歯を大切にしたくなる方法を提案してみよう
有限会社永峰養豚場豚肉の直接販売にむけてどのような宣伝方法がより注目を集めるだろうか?
株式会社風来軒宮崎県産の作物を使って、「宮崎を元気にする」取り組みを考えてみよう
株式会社緒方塗装塗装の材料と建物(木材)の関係とは?
株式会社フレッシュ青果青果物の卸売業者がいなくて起こる不便やトラブルはどのようなものがあるか。
株式会社南九州みかどなぜ狭い道よりも広い道路のほうが事故が多いのか

当日の様子

株式会社フレッシュ青果の「青果物の卸売業者がいなくて起こる不便やトラブルはどのようなものがあるか」というテーマで探究をしているグループは、地元で大規模農園の経営と卸売業を営む企業の社長に、卸売業者を利用するメリットやデメリットをインタビューしていました。

仮説では「卸売業者が存在しないと、青果の供給が減少する」「目利きが行われず品質が安定しない」と考えていたそうです。しかしインタビューにより「卸売業者の有無で、農家が生産・出荷する量が変わるわけではない」「目利きは農家も実施するため、卸売業者が存在しないことで品質が下がるわけではない」とわかり、「農家にとって、納品作成書の作成や配送といった手間やコストを省けることは大きなメリット」とまとめていました。

フレッシュ青果の担当者は「卸先の飲食店やホテルではなく農家側にインタビューをするのは新鮮で、視野の広さを感じた。実際にはほとんどの農家は卸売業者に直接納品するのではなく青果市場に納品し、青果市場で卸売業者は買い取っている。その点を踏まえて、農家と卸売業者の理想的な関係性を考えられると良さそう。」とコメントをしていました。

参加者の感想

参加企業からの感想(一部)

  • いろいろな方にインタビューをしており、表面的ではなくリアルな声が集まっていて私たちとしても刺激を受けた。
  • 企業の課題だけではなく、世の中の社会課題についても考えられているのがよかった。企業として社会課題にどのように向き合っていくのか、さらに深く考えてもらうと良さそうだと感じた。
  • 「消費者だけ」「顧客だけ」などではなくさまざまなステークホルダーの視点から課題と解決策を考えており、視野の広さを感じた。今後は課題を考える際に、誰の視点で考えているのかを整理するとより良いアイディアが出ると思った。
  • SNS関連の施策が多く、やはり高校生はSNSに馴染みがあるのだとわかった。法人相手のビジネスをしていると、一般消費者への知名度向上施策は優先度を下げてしまいがちだが、改めて力を入れたいと思った。

宮崎商業高校 野口先生のコメント

課題の提供元となる企業は同じでも、課題の切り口は複数あり、さらには生徒それぞれが異なる視点からさまざまなアイディアを出していたのが印象的でした。1人ひとりの視点から思い思いに解決策を考えられるのは、探究学習のメリットだと感じます。

今回の中間発表で企業の方からフィードバックをいただいたことで、取り組むべき課題がシャープになり、今後はより実現性の高いアイディア考案ができそうです。また実際に企業の方と対話をしたことで、生徒たちも盛り上がり、より興味を持ったように思います。

探究学習は生徒がキャリアの選択肢を広げる良い機会ですので、今後の学習も精一杯サポートしていきたいと考えています。

おわりに

自分たちの仮説だけで物事を進めず、インタビュー調査により仮説を検証することは探究学習においても、今後社会に出て働くにあたっても、大変重要なことだと考えています。今回の発表会では、インタビュー調査の結果をさらに企業様にフィードバックいただき、「仮説を立てて検証する」というサイクルを回しながら自分の考えをブラッシュアップさせていくという経験をすることができたかと思います。

今後もStudy ValleyとUMK テレビ宮崎は、ひなた探究を通じ、県内企業と高校生をつなぎ、探究学習を進めていきます。

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【この記事の監修者】

田中 悠樹|株式会社Study Valley代表

田中 悠樹|株式会社Study Valley代表

東京大学大学院卒業後、ゴールドマンサックス証券→リクルートホールディングスに入社。同社にて様々な企業への投資を経験する中で、日本の未来を変えるためには子どもたちへの教育の拡充が重要であると考え、2020年に株式会社Study Valleyを創業。
2020年、経済産業省主催の教育プラットフォームSTEAM ライブラリーの技術開発を担当。
2024年、経済産業省が主催する「イノベーション創出のための学びと社会連携推進に関する研究会」に委員として参加している。