地元愛媛の企業が抱える活きた課題を解決する探究学習を行っている愛媛県立松山西中等教育学校(愛媛県松山市、以下、松山西中等教育学校)は、2024年6月5日 (水) 、県内9企業とともに、第7回目の授業(全七回)で、探究学習成果発表会を行いました。
松山西中等教育学校は2022年4月より始まった「探究学習(総合的な探究の時間)」を通じ、愛媛県の企業が抱える活きた課題に取り組み、新たな魅力創生につながるオリジナルプラン作成を目指す、地域探究を行っています。現在、4年生(高校1年生)155名が9企業のリアルな課題に挑戦しています。
【高校の探究担当の先生へ】
当メディアを運営する私たちStudy Valleyは「社会とつながる探究学習」を合言葉に、全国の高等学校様へ、探究スペシャリストによる探究支援と、社会とつながるICTツール「高校向け探究学習サービス『TimeTact』」を提供しています。
現在、探究に関する無料相談会を開催中です。探究へのICT活用や外部連携にご興味ある方、お気軽にご連絡下さい。ご予約はこちら(2024年3月現在、問い合わせが急増しております。ご希望の方はお早めにご連絡ください)。
【企業のCSR広報ご担当者様へ】
CSR広報活動の強い味方!
探究教育を通して、学校と繋がるさまざまなメリットを提供しています。
まずはお気軽に「教育CSRサービスページ」より資料をダウンロードください。
また無料相談も可能です。些細なご相談やご質問、お見積りなど、お気軽にご相談ください。
愛媛県内の高校生と地元企業をつなぐ「みきゃん探究」
探究学習は、変化の激しい社会に対応できる、よりよく課題を解決し、自己の生き方を考えていくための資質・能力を育成することを目標にした学習で、①問題設定、②情報の収集、③分析、④まとめ・表現、というプロセスを繰り返すプロジェクト型の学習です。2022年4月から高校で必修化されています。
また、これまで文部科学省は、地域の学習環境を活用し、実社会や実生活の課題を取り上げ、教員以外のメンバーも参画した「チームとしての学校」を提唱してきました(【総合的な探究の時間編】高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説より )。
教育効果に加えて、教員の働き方改革の文脈でも注目を集めている学校の地域連携は、探究学習においても、重要とされています。
株式会社テレビ愛媛と株式会社Study Valley(以下 Study Valley)は 、2022年度からICT教材(TimeTact)で高校生の探究学習をサポートする「みきゃん探究」を実施しています。探究学習という新しい授業の中で、愛媛県内の高校生と企業をつなぎ、地元の大人が一丸となって高校生の探究学習をサポートし、地域の人材育成と新しい価値の創造を目指す取り組みです。
松山西中等教育学校 探究活動概要
開催概要 | 2024年6月5日(水) 方法:対面 |
---|---|
参加企業(五十音順) | アビリティーセンター株式会社、株式会社伊予銀行、株式会社愛媛銀行、オオノ開發株式会社、月心グループ(公益社)、KOYO(興陽商事株式会社)、重松兄弟設備株式会社、株式会社テレビ愛媛、株式会社マルミ |
実施内容 | 1. 生徒による探究成果発表 2. その内容について企業からのフィードバック 3. 企業、発表者でのディスカッション、企業への追加案の提示 4. 参加企業による総括 |
実施のねらい | 地元の高校生と企業が直接結びつくことで、新たな地域価値創造を一緒に目指す |
探究成果発表会の内容
4月から取り組むこの活動は全7回(本時は第7回)で行われました。
第1回では、まず自分の関心に基づき企業プロジェクトを決めました。その後、第2~3回にかけて、同じ企業を選んだ生徒同士でグループを組み、アイディア提案に向けて事前知識を学んでいきました。第4~5回ではアイディアを考案し、探究成果として紙にまとめ、生徒同士でアドバイスし合いました。第6回では、アドバイスをもとにアイディアを修正し、各グループでデバイスを使い、デジタルで探究成果をまとめ、発表に向けての準備をしました。第7回(本時)で企業の方々に来ていただき、考案したアイディアを発表し、各企業の方々からのフィードバックをいただきました。
生徒が取り組んでいる探究テーマ
アビリティーセンター株式会社 | 「自分の可能性を広げる」仕事との向き合い方とは? |
---|---|
株式会社伊予銀行 | 地域のお客さまの課題を解決する、伊予銀行の新サービスを提案しよう |
株式会社愛媛銀行 | 愛媛銀行と一緒にあなたの地域産業を盛り上げる取り組みを提案しよう |
オオノ開發株式会社 | 「未来の農業」をアピールする方法を考えよう 遠隔操作の普及率を上げるためにすべきことは? |
月心グループ(公益社) | 普段伝えきれない想いを伝える、人生の卒業式とは? |
KOYO(興陽商事株式会社) | 「健康」「家計」「家族」、全てにやさしい理想の住宅を提案しよう |
重松兄弟設備株式会社 | 空気を換えて我々の生活をより豊かにする方法を提案しよう |
株式会社テレビ愛媛 | ストリーミングサービスやYouTubeでは実現できない、テレビならではの企画を考えよう メディアリテラシー時代の情報との向き合い方とは? 地域密着型テレビの価値とは? |
株式会社マルミ | ブリの革命:完全養殖の未来を拓く 海の砂漠化「磯焼け」に対するマルミの取り組みを成功させる方法とは? |
発表の様子を一部ご紹介します。
空気を換えて我々の生活をより豊かにする方法を提案しよう(重松兄弟設備株式会社)プロジェクトでは、各グループが満員電車や手術室等の様々な空間を想定して、空気環境をどう変えれば良いか、空調に必要な工夫は何かを発表しました。
「健康」「家計」「家族」、全てにやさしい理想の住宅を提案しよう(KOYO(興陽商事株式会社))というテーマでは、各グループが重視した観点を反映して作成した住宅の間取り図を提案し、企業の方からコメントをもらいました。
遠隔操作の普及率を上げるためにすべきことは?(オオノ開發株式会社)というテーマに取り組んだグループでは、特に情報系の学部・学科に所属する学生に向けてVR体験を通じた魅力発信を提案しました。
普段伝えきれない想いを伝える、人生の卒業式とは?(月心グループ(公益社))というプロジェクトに取り組んだ生徒たちは、伝えられなかった想いを伝える葬儀にするためにはどのような企画にすべきかを発表していました。 このプロジェクトに取り組んだ生徒からは、故人との思い出をみんなで共有する「年表」を参列者に自由に書いていただくという企画や、またあるグループは、故人への想いを「花言葉」で伝えられるように葬儀で飾る花を考える企画、故人の好きな音楽を流し明るい雰囲気の葬儀など、さまざまなアイディアが出ていました。
発表した生徒たちは、大変緊張している様子も見られましたが、自分たちがここまで取り組んだ取り組みに自信を持ち、堂々と発表する姿が印象的でした。
探究成果発表会に参加した皆さまの様子
《参加企業の様子》
ご参加いただいた企業の方は、生徒たちの真剣な取り組みと、具体的かつ独創的なアイディアを評価してくださいました。また生徒たちへのフィードバックでは、企業の方ならではの鋭い視点でご指摘くださったことで、生徒は自分たちの取り組みを改めて振り返り、どこを改善するべきなのかを明確に理解することができました。
ある企業の方はマネタイズできる仕組みについてまで言及してくださったり、黒板を使って具体的な改善点を示しながらご指摘くださったりと、とても熱心に生徒たちのアイディアに助言をくださいました。
《生徒感想》
- プロの目線から感想をいただけて、課題点などを見つけられてよかったです。
- 実際に働いている人たちの愛媛に対する知識や情熱を間近で感じさせてもらいました。
- フィードバックをもらって足らない点を理解することができました。いただいたフィードバックをもとに自分なりに最後まで考えたいと思います。
今後もStudy Valleyと株式会社テレビ愛媛は、みきゃん探究を通じ、県内企業と高校生をつなぎ、探究学習を進めていきます。
【高校の探究担当の先生へ】
当メディアを運営する私たちStudy Valleyは「社会とつながる探究学習」を合言葉に、全国の高等学校様へ、探究スペシャリストによる探究支援と、社会とつながるICTツール「高校向け探究学習サービス『TimeTact』」を提供しています。
現在、探究に関する無料相談会を開催中です。探究へのICT活用や外部連携にご興味ある方、お気軽にご連絡下さい。ご予約はこちら(2024年3月現在、問い合わせが急増しております。ご希望の方はお早めにご連絡ください)。
【企業のCSR広報ご担当者様へ】
CSR広報活動の強い味方!
探究教育を通して、学校と繋がるさまざまなメリットを提供しています。
まずはお気軽に「教育CSRサービスページ」より資料をダウンロードください。
また無料相談も可能です。些細なご相談やご質問、お見積りなど、お気軽にご相談ください。
【この記事の監修者】
田中 悠樹|株式会社Study Valley代表
東京大学大学院卒業後、ゴールドマンサックス証券→リクルートホールディングスに入社。同社にて様々な企業への投資を経験する中で、日本の未来を変えるためには子どもたちへの教育の拡充が重要であると考え、2020年に株式会社Study Valleyを創業。
2020年、経済産業省主催の教育プラットフォームSTEAM ライブラリーの技術開発を担当。
2024年、経済産業省が主催する「イノベーション創出のための学びと社会連携推進に関する研究会」に委員として参加している。