教育CSR

【詳細レポート】「ひなた探究Fes2022」が開催されました

2023年3月11日(土)、株式会社テレビ宮崎(本社:宮崎県宮崎市、代表取締役:寺村明之)と株式会社Study Valley(本社:東京都江戸川区、代表取締役:田中悠樹)は、宮崎県内の高校生と企業を対象にした「ひなた探究」の一環として、「ひなた探究Fes2022(以下、ひなた探究Fes)」を開催いたしました。

ひなた探究Fesには宮崎県内の9つの高校、同じく県内企業7社、ゲストとして県外企業1社、宮崎県キャリア教育支援センター、経済産業省が参加。高校生が探究成果をプレゼンし、それに対して企業がフィードバック、相互にディスカッションなどが行われました。

「ひなた探究」とは・・・宮崎県の企業様10社と、宮崎県下の高校10校の学生のみなさまが協働で行っている探究学習です。高校生は、企業様の抱える「活きた課題」に取り組むことで、社会で生き抜く力を身につけるとともに、地域の魅力、地元企業の事業内容や取り組みを知ることができます。

詳細:地方創生の要は高校生?宮崎県の「ひなた探究」とは
参考:【詳細レポート】1日完結型の探究ワークショップ「ひなた探究Camp」

この記事ではひなた探究Fes、当日の様子をご紹介します。地域探究や、企業の広報・CSR、地方創生の取り組みにご興味のある方はぜひお読みください。

ひなた探究Fes概要

開催概要開催日:2023年3月11日(土)
方法:オンライン(Zoom)
主催:株式会社テレビ宮崎、株式会社Study Valley
参加企業・協賛・ゲスト(順不同)霧島酒造株式会社株式会社スズキ自販宮崎株式会社マルイチ株式会社ハナビヤ宮崎電子機器株式会社株式会社RICE FIELD株式会社テレビ宮崎、リンクスペイシーズ株式会社、宮崎県キャリア教育支援センター経済産業省
参加学校(順不同)五ケ瀬中等教育学校、富島高等学校、高鍋高等学校、宮崎大宮高等学校、宮崎南高等学校、都城西高等学校、小林高等学校、小林西高等学校、飯野高等学校
実施内容1. 生徒による探究成果発表
2.その内容についてディスカッション、企業からのフィードバック
3.参加企業による企業の取り組み紹介
実施のねらい地元の若者と企業が直接結びつくことで、新たな地域価値創造を一緒に目指す

テーマ一覧

高校名テーマ
高鍋高等学校​避難情報の伝達~高鍋町の戸別受信機の普及に関して~​
飯野高等学校​地域活性化を目標に、地元の食品を使って商品開発​
富島高等学校​HYUGA PRIDE(RESASを用いた地域創生)​
小林西高等学校​コロナ禍でも参加できるイベント​
宮崎南高等学校​恋愛と勉強の相関関係​
小林高等学校​米粉の有効活用法​
小林高等学校​こんな職業あったんだ~職場体験学習から考える​
都城西高等学校​みらいの芽~次世代につなぐ希望の光~​
都城西高等学校​みんなの居場所 “地域食堂”​
宮崎大宮高等学校​活性炭で水をきれいに ~廃棄物でつくる活性炭の可能性~​
宮崎大宮高等学校​Fish’s dish​
五ヶ瀬中等教育学校​すべての子供をえがおに〜ヤングケアラーにわたしたちができること〜​
五ヶ瀬中等教育学校​ワイルドフラワーで耕作放棄地に彩りを​

ひとつのルームに、高校生が3チーム、企業が2社、ファシリテーターとしてStudy Valleyのスタッフが入り、高校生による探究成果の発表に続いて、高校生同士や、企業担当者とのディスカッションや質疑応答を行いました。

高校生はそれぞれ地元の課題に取り組み、企業からは、取り組む姿勢だけでなく、課題を選んだ背景や、調査方法の改善案、これからの展望まで多岐にわたるフィードバックが行われました。

具体的な発表の様子を一部ご紹介します。

発表事例1:えびの活性化探究活動

「えびの活性化探究活動」を発表した飯野高校のチームは、高齢化や若者の人口減少に危機感を抱いたことから、地元えびの市の活性化プランを探究しました。県内唯一の温泉街、京町温泉と商店街へ出向き、温泉と飲食店の合計11箇所を取材してPR動画を制作しました。

▲京町温泉郷への取材の様子

また、地元の事業者さんと協力して、いちごを使ったスイーツや甘酒商品を企画して道の駅やコミュニティセンターで販売しました。最初は、学生の立場から協力事業者さんに思ったことを伝えにくい、など意思疎通がうまくいかない場面もありましたが、回を重ねるうちにそれも解消。全期間を通していちごスイーツを約650個、甘酒商品も約100個を売上げるという実績につなげました。

企業からのフィードバック

発表を聞いた霧島酒造株式会社の章様は、「ものづくりから地域を盛り上げようという発想はとても大事ですね。今後、ふるさと納税などの仕組みとつなげていったり、どうやって外からえびの市へ人を呼び込むか、など発想を広げていければ、よりえびのの為になる、面白い活動になるのではないでしょうか」とコメントされました。

発表事例2:すべての子供をえがおに

▲ヤングケアラー認知度に関する校内調査

「すべての子供をえがおに〜ヤングケアラーにわたしたちができること〜」を発表した五ヶ瀬中等教育学校のチームは、テレビドラマをきっかけに当年代にヤングケアラーがいることを知って衝撃を受けたことからテーマを選定。ヤングケアラー問題の解決の一歩目は、まず本人や周囲がヤングケアラーを知り、問題を認知できることであり、そのために「ヤングケアラー」の認知度を上げる方法を探究しました。具体的には、ヤングケアラー問題に取り組む地元の子ども食堂への取材に基づき、地元の現場と高校生の視点を取り入れた宮崎県版ヤングケアラー啓発ハンドブックを制作しました。▲制作された宮崎県版ヤングケアラー啓発ハンドブック

今後、県内の児童館等へ設置を進めるとのことです。

企業からのフィードバック

発表を聞いた株式会社マルイチの高木様は、「子ども食堂へ取材に行ったことが、問題を表面的にではなく、深く理解するポイントだと思います。ハンドブックをさらに多くの場所で手に取ってもらえるように活動を進めていってほしいです」とコメントされました。

ひなた探究Fesに参加した高校生の感想

ひなた探究Fesには、9つの高校から15チーム、40名以上が参加しました。その中から感想を紹介します。校内だけではなく、企業や他校の生徒との探究を通じた交流が刺激となったようです。

高校生の感想(一部)
●自分の見ているところからの別視点での探究を見つけることができました。すごく濃い半日をありがとうございました!これを機にまたパワーアップして探究頑張ります!
●企業の方に課題研究を見ていただく機会はあまりないので、すごく良い機会になりました。フィードバックももらえてより研究を深めることができました。
●たくさんの方のお話や他校の方の発表が聞けていい体験になりました。ありがとうございました。

ひなた探究Fesに参加した企業の方の感想

テーマの独創性や、探究プロセスがしっかりしていたことを評価していただきました。企業目線での鋭いフィードバックもありましたが、熱心に探究に取り組む高校生を応援する声が非常に多く寄せられました。

企業の方の感想(一部)
●積極的なフィールドワークやインタビューなどを通して、次から次へと課題立てと検証を繰り返して答えを導きだしていて素晴らしい。
地域を巻き込んだ取り組みが目を引きました。
テーマが面白かった!
積極的な生徒さんたちばかりでした。継続することで更なる探究と改善ができると思います。
未来を切り拓いていく人たちの話をもっと聞きたい。

今後もStudy Valleyとテレビ宮崎は、探究の成果発表会などを通じて、県内企業と高校生をつなぎ、地域の魅力創生、人材育成に取り組んでいく予定です。

ABOUT ME
この記事を書いた人:Study Valley 編集部
探究No.1メディア”Far East Tokyo”編集部です!執筆陣は、教育コンサルタント、元教員、教育学部大学院生など、先生方と同じく、教育に熱い思いを持つStudy Valleyのスタッフ陣です。子どもたちがわくわく探究する姿を思い浮かべながら制作しています!先生方のお役に立ちますように。Twitterフォローで記事更新情報が届きます。