探究学習を経験した生徒はどう感じているの?
生徒の目線から見た探究学習について知りたい!
私たちStudyValleyは「社会とつながる探究学習」を合言葉に、高校の先生や塾の先生方へ、探究学習を効果的に行えるICTツールの提供や、コンサルティングサービスを行っています。
先生方とお話する中で、冒頭のようなご相談をよくいただきます。
そこで、この記事では探究学習を経験した生徒の感想をまとめました。ポジティブな感想からそうではない感想までご紹介します。
2022年度から「総合的な探究の時間」が高校で必修となり、高校での探究学習の推進が求められています。探究学習を推進するにあたり、まずは探究学習の意義を理解することが大切です。
また、生徒の探究学習をサポートする上で、生徒が難しいと感じるポイントを知ることも不可欠です。
探究学習を経験した生徒の感想をご覧いただき、「生徒は探究学習を通じてどう成長するのか」「生徒は探究学習のどこで躓くのか」をご確認ください。
この記事で紹介する生徒の感想
• 成長したこと・学んだこと
・自分に対する自信
・社会とのつながり方・マナー
・国際問題への関心
・当事者意識の芽生え
・地域への愛着
• うまくいかなかったこと・苦労したこと
・テーマが決まらない
・データが集まらない
・調査が必ずしも想定通りには進まない
・意見の発信
・探究をどう深めるか
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探究学習を経験した生徒の感想
成長したこと・学んだこと
まずは、探究学習を経験した生徒が、自分の成長や学びについてどのような感想を持っているのかをご紹介します。
自分に対する自信
まともに話せなかった自分に自信がついた
高校入学当初は人見知りでクラスの中でも発言できるほうでもなく、GLOBALⅠの授業でも発表係を選ばず、消極的でした。そんな私をGLOBALⅡの研究が変えてくれました。すべて英語での研究でしたが、周りの人に支えられ、発表まで挑戦し、英語もまともに話せなかった自分が発表会で発表したこと・経験を通して自分に自信が持てるようになりました。
間違いを恐れず発信していいんだ
何度もプレゼンテーションを行う中で、どうすれば自分の伝えたいことをうまく伝えられるか考える力がつき、以前より自信が持てるようになったので、人前で話すことが好きになりました。(中略)私はこれまでの活動を通じて、「自分の意見を間違いを恐れずに発言していいんだ!」という自信をつけることができました。商品開発を行うにあたって、全員同じ意見ではつまらないからです。さまざまな意見があったからこそ、この「ほしいもグラノーラ」が開発されたのです。
引用:大成女子高等学校探究部(茨城の高校生が考案『ほしいもグラノーラ』を全国へ)より
社会とのつながり方・マナー
礼儀を学んだ
市役所の方に話をうかがったりと、社会とつながりながら研究を進めたことで、礼儀を学ぶことができたと思います。このように学校外の人の協力を得つつ、研究を進めたことは良い経験ができたと思います。
高校生ではなく、社会人の一人として
私たちは社会のなかで大人と同列に扱われる事も少なくない年齢ではあります。しかし高校生として、一人前の社会人の方に意見を申す、というのは、どれだけ資料を自信あるものに仕上げたからとはいえ何となく気が引けてしまいました。しかし、私たちの完璧とはいえないプレゼンに、大人の方は皆私たちの話に真剣に耳を傾けてくださり、それだけではなく、私たちのアイデアを更に良いものにするため、専門的な立場から多くの意見をいただく事ができました。それらの多くが、私たちだけでは思い至らないものでした。それと同時に、このアイデアはとても思いつかなかった、と私たちのアイデアをほめて下さいました。
まだ高校生の私たちですが、商品開発に関わってくださった多くの方が、私たちを高校生として、では無く社会人の一人の様な感覚でお互いにより良い商品にしようと意見を交換し合う事ができました。学校生活の中での教師と生徒、という関係の中では実現できない関わり方だと思います。また、意見の交換を通して、高校生だからといって引け目を感じる事は、真剣に取り組んでくださっている大人の方々に失礼だと、礼儀の面で考えを改めさせられました。
引用:大成女子高等学校探究部(茨城の高校生が考案『ほしいもグラノーラ』を全国へ)より
国際問題への関心
・世界では十分に教育を受けられない子供たちがいることに驚きました。その国の問題だけでなくユニセフなど企業を主体として改善に導いていることを知りました。
・今自分が置かれている環境がどれほど恵まれているのか考えさせられた。
(探究テーマ『世界の貧困の子供たちに教育を受けさせるために』)
引用:つくば開成国際高等学校「総合的な探究の時間(活動Ⅴ:探究発表会)」より
当事者意識の芽生え
「絶滅危惧種の保護について」
・ジュゴンなど貴重な生物を守るために何か行動したいと思った。
・動植物と環境は繋がっているので、自分のできる環境保護について協力していきたいと思った。
「不妊治療について」
・男性だから関係ないのではなく、妊娠や不妊治療についてしっかり知るべきだと思った。
・将来自分や友人に関係することかもしれないので、深く知っていこうと思った。
引用:つくば開成国際高等学校「総合的な探究の時間(活動Ⅴ:探究発表会)」より
地域への愛着
地域の問題の背景に触れて
現地を訪れてあらためて感じたのは、食文化にしても、商店街の活性化策にしても、それが形成されるのには、必ず背景があるのだということだ。これまでも何となく理由があるのだとは思っていたが、このように特定の地域について、詳しく事前調査し、実際に訪れることでそれがよくわかり、地域への興味や愛着がわいた。
想いが深まる
(和気町の地域おこしを行った生徒の感想)
和気に対する思いが深くなっていった。機会があれば和気の良いところをたくさん知っていきたい。
引用:「和気閑谷高校 高校魅力化事業」より
うまくいかなかったこと・苦労したこと
ここからは、探究学習でうまくいかなかったことに触れた生徒の感想を取り上げます。
テーマが決まらない
最初の頃は研究テーマがなかなか定まらず、時間だけが過ぎていき焦りました。
データが集まらない
・私は4月にGLOBALⅢで何をしたいかを発表した際、我ながら他の人よりもビジョンがはっきりしていて、スムーズに研究を進めることができるのではないかと思っていました。しかし、実際に研究を始めると、データ集めに非常に苦労しました。人前で発表する際に自信を持って言える正確なデータはなかなか集めることができませんでした。
・研究のテーマ上、参考文献や先行研究があまり存在せず、行きづまることも多くありました。
調査が必ずしも想定通りには進まない
フィールドワークを通して、予想通りだったこと、予想外だったことがたくさんあった。予想外の答えが来た時には、正直困ってしまったけど、その場その場で臨機応変に対応することが重要だと思った。
意見の発信
・スライドを確認しながら発表するのは想像より難しいことが分かった。
引用:つくば開成国際高等学校「総合的な探究の時間(活動Ⅴ:探究発表会)」より
・原稿は何度も直すことがあったし、発表の練習をしているときも声の大きさや顔を上げてあまり原稿を見すぎない事など、たくさん直す事がありました。
引用:大成女子高等学校探究部(茨城の高校生が考案『ほしいもグラノーラ』を全国へ)より
英語はあくまで発信のツール
・結局英語は私にとっては理想としては「ツール」であって、それがメインではないのだなと思いました。英語で自分の考えを伝えようとするとき、英語で伝えようとするあまり自分の一番言いたいことを英語で言いやすいように少し変えていたり、ついつい内容が薄っぺらくなったりしてしまう自分がいました。しかし留学生さんに「その意見ははたして本当にそうかな?私はこう思うよ」といわれた時、大事なのはしっかりした自分の意見を英語を用いて伝えることだとわかりました。
引用:「令和2年度 ワールド・ワイド・ラーニングコンソーシアム構築支援事業:西日本をつなぐグローバルリーダー育成イニシアティブ」より
探究をどう深めるか
・GLOBALⅢでは研究の進め方の詰めが甘く、もっと深めたかった点が多々あります。批判的思考を用いたり、集めた多くの情報を統合したりすることの難しさを痛感しました。
・答えがはっきり出ないから煮え切らない。
引用:「専門高校における歴史を活用した探究型授業−「天皇」「社会」を考えさせる活動をとおして」より
まとめ
探究学習を経験した生徒の感想をご紹介しました。
探究学習を終えた時点では多くの生徒が学びを得ている一方、探究学習を行う過程では様々な困難に直面しています。生徒は、テーマの決定やデータの収集・分析を自分の力で行うことに一定の難しさを感じるようです。
しかし、難しいと感じたときこそ、生徒が主体的に解決策を考えるチャンスです。探究学習は困難を伴う分、生徒の思考が深まるため、大きな成長や学びにつながります。実践できるところから、探究学習を取り入れてみましょう。
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【この記事の監修者】
田中 悠樹|株式会社Study Valley代表
東京大学大学院卒業後、ゴールドマンサックス証券→リクルートホールディングスに入社。同社にて様々な企業への投資を経験する中で、日本の未来を変えるためには子どもたちへの教育の拡充が重要であると考え、2020年に株式会社Study Valleyを創業。
2020年、経済産業省主催の教育プラットフォームSTEAM ライブラリーの技術開発を担当。
2024年、経済産業省が主催する「イノベーション創出のための学びと社会連携推進に関する研究会」に委員として参加している。