調べ物をしているとき、ふと同じテーマが海外ではどのように取り扱われているのか気になったことはありませんか?
たとえば「タピオカミルクティー」。
タピオカミルクティーは日本でも人気な飲み物ですが、他の国でも同じように人気なのでしょうか?またタピオカの学術的な研究はあるのでしょうか?
海外のタピオカ現象について広く確かめるには、外国語で調べる必要があります。調べているうちに、タピオカについての意外な発見や、そこから探究したくなる問いが生まれるかもしれません。
この記事では、高校生でもできる、海外情報をインターネットで探す方法や探すときのヒントについて解説します。
世界につながり、世界を広げるための調べ物テクニックを身につけ、探究のレベルを上げましょう。
<この記事で紹介する方法>
ページ全体を翻訳したい→ブラウザの翻訳機能(Google、Edge)
文章を翻訳したい→翻訳ツール(Google、DeepL)
単語やその背景知識を調べたい→事典(Weblio、エンサイクロペディア)
定番の文献を揃えたい→海外の文献検索サイト(Google Scholar、WorldCat、KVK)
あらゆるメディアから情報を探したい→検索エンジンの多言語機能
海外の動画から情報を得たい→TED、Asuka Academy、YouTube
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翻訳機能という強い味方
これさえあれば世界中の言語を読めるようになる、海外の調べ物の強い助っ人を紹介します。無料でも使える翻訳サービスです。
「翻訳機能は正確じゃないんじゃないの?」
「自分で辞書で調べないと英語力が身につかない!」
そんな風に思っていませんか?
実はここで紹介する翻訳機能、大学で研究している人や会社で働いている人たちも結構使っているんです。
たしかに、100%完璧な訳をしてくれるわけではありませんが、ざっと全体をつかむためには非常に便利ですし、詳しく知りたいところは原文を読んでちゃんと理解すればいいのです。
また英語力を伸ばすことが目的の調べ学習なら一字一句、辞書と向き合って訳したほうがいいかもしれませんが、今回は日本にはない情報を収集するのが目的なので「英語の学習」とは別に考えたほうがいいでしょう。
まず海外情報の収集に便利に使い、ついでに英語の勉強にもなる、くらいの感覚がいいかもしれません。
ただ、情報を引用する場合は生徒に引用元を明記させ、あとで正しく情報を理解しているか確認することはしたほうがいいでしょう。
さて、では実際にどう使うのか見ていきます。
ページ全体を丸ごと翻訳:ブラウザの翻訳機能
Google ChromeやMicrosoft Edgeなどのインターネットブラウザには、翻訳機能が標準搭載されています。
外国語のWebサイトを見たいときに便利な機能で、アクセスしているページ全体を丸ごと翻訳してくれます。
例えばGoogle Chromeの場合、いつもと異なる言語のページにアクセスすると、自動で翻訳を促すポップアップ(お知らせ)がページ上に現れます。表示されなくてもページ上で右クリックして「日本語へ翻訳」をクリックすれば、ページ全体が日本語に翻訳されます。
翻訳ツール①:Google翻訳
Google翻訳とは、その名の通り文章やドキュメントを翻訳してくれるサービスです。
文書やPDF、表、スライドなど10種類以上の形式のファイルを最大 10 MB まで翻訳できます。なんと音声や画像内のテキスト(看板や手書きのメモなど)も翻訳できます。
一番手軽な使い方は、Google検索のように検索窓に翻訳したい語句と翻訳後の言語を入力することです。
試しに「タピオカミルクティーはなぜ人気なのか?」という和文を英文に翻訳してみました。翻訳にかかる時間は1秒もかかりません。
翻訳ツール②:DeepL翻訳
Google翻訳と機能が重複しますが、このDeepL(ディープエル)翻訳ツールも強くお勧めしたいサービスです。
無料版でもテキスト文字、文書、スライドなどのファイル形式を翻訳できます。Google翻訳と比べるとファイル形式の種類は少ないですが、翻訳精度への評価が高いサービスです。
ここでは試しに、上のGoogle翻訳で訳した英文を和文に翻訳し戻してみました。
これらの翻訳機能をいつでも使える状態にしておけば、海外の調べ物でも怖くないですね。
「事典」で検索語を深く知る
「調べたいキーワードは、そもそも英語でなんて表現するの?」
「思い付きで直訳して検索したけどうまくいかない!」
というときがあります。
何語であっても、より有意義な検索結果を得るためにはまず「検索語(検索する言葉)」を深く知ることが大事です。
そのために検索上手な人がまず利用するのが「事典」。
事典は、翻訳ツールと違い、言葉の意味だけではなく、トピックの概要や関連分野の知識をまんべんなく教えてくれます。事典を読みながら、前提知識や用語を蓄えるのが調査の出発点です。
ここでは、プロが執筆・編集・監修した情報を載せている代表的なオンライン事典を紹介します。
事典①:Weblio英和・和英辞典
Weblio英和・和英辞典は、79種類の辞典を一度に検索ができる日本最大級のオンライン英語辞書です。専門用語も広くカバーしているので、前述の翻訳サービスよりも多様な訳語に触れられます。
事典②:エンサイクロペディアドットコム
エンサイクロペディアとは、英語で百科事典のことです。ここで紹介するエンサイクロペディアドットコムは、世界の200以上の百科事典を横断検索できるサイトです。
ヒント
検索ボックスに虫眼鏡のアイコンがついているのは、海外のサイトでもよく見かけます。
もし見当たらなければ、Ctrl+F(ページ内検索のショートカットキー)で「search(検索)」の単語をページ内検索すると見つかるかもしれません。
「ページ内検索」は、長い記事のなかで探したい単語を早く見つけるのにも便利です。
定番の文献を揃える
上に挙げたような事典を使って、検索用語や定番文献が判明したら、今度は海外の文献データベースを使って検索してみましょう。
ここでもいきなりインターネット検索をする前に、文献データベースを活用することで確かな情報源に出会える確率をあげられます。
論文データベース:Google Scholar
Google Scholarとは、幅広い分野に関する世界中の学術文献を検索できるGoogleのサービスです。検索結果には引用元や引用数が表示されるので、文献ごとの相対的な評価がわかりやすいのが特徴です。
また、引用元や関連記事もワンクリックで開くことができ、ひとつの文献から芋づる式に他の文献をたぐり寄せることができます。
タピオカミルクティーに関する、健康問題や消費動向などの論文がヒットしました。ちょっと興味が広がりそうですね。
書誌データベース①:WorldCat
Google Scholarでは足りないときは、世界中の図書館の所蔵資料を検索できる「世界最大の図書館共同カタログ」のWorldCatを使ってみましょう。検索対象は本だけでなく、CDやビデオなどのデジタルコンテンツも含まれます。
書誌データベースその②:KVK
WorldCatでもまだ足りない場合は、さらに上のKVKもあります。KVKはドイツのカールスルーエ大学図書館が開発した検索エンジンで、世界中の図書館と書店を横断的に検索できます。前述のWorldCatやGoogle Scholarの検索結果と重複する場合もあります。
>KVK(Karlsruher Virtueller Katalog)
日本語表示はないので、ブラウザの翻訳ツールと一緒に使ってみてください。
ヒント
英語の文献リストには通常<著者名、(記事名)、書名、出版社、出版年>などの情報が含まれています。
探したい書籍の著者名(最初に記されていることが多い)と書名(斜体で記されていることが多い)だけでも分かっていれば、上記のデータベースの検索結果を絞り込めます。
検索エンジンであらゆるメディアを探す
ここまで、あえてGoogleやYahooなどの一般的なウェブ検索エンジンの利用には触れてきませんでした。なぜなら前提知識が少ないままでは、検索エンジンの膨大な検索結果を絞り込むことは難しいからです。
ただし、分野によっては非テキストや未分類のメディア(動画、画像、ブログ記事、SNS投稿など)にあたる必要もでてくるでしょう。
そんなときも最初に事典やデータベースを利用することで高精度な情報に出会える確率を上げることをお勧めします。
その間に蓄積した知識や用語が、その先の調査で良質な情報を選別する役に立ちます。
Googleの詳細設定で検索結果を自在に操る
Google検索では、検索結果の言語や種類を選択したり対象を絞り込む設定ができます。
ここでは試しに日本語と英語にチェックを入れてみました。これで、日本語だけでなく英語の結果も反映されるようになります。
ほかにも以下にヒントがたくさん載っています。
>Google検索の精度の高め方
>Google検索結果の絞り込み方
>Google検索オプション
良質な動画との出会い方
海外の動画コンテンツに触れられるのはYouTubeだけではありません。たとえばTEDやAsuka Academyなどのサイトは、コンテンツが厳選されているので動画検索の出発点としておすすめです。
TEDでは、あらゆる分野の一線で活躍する専門家のスピーチを直に聞くことができます。字幕付きの動画もたくさんあります。
Asuka Academyは、世界の大学講義を日本語字幕付きで試聴できるサイトです。
海外の動画に字幕を表示させる
YouTubeで、探究でちょうど調べていたタピオカミルクティーの動画を見つけた!でも英語だから追うのが大変・・・テキストならまだ少しはわかるのに・・・。
そんなときはYouTubeの「自動字幕機能」が使えます。リスニングに自信がなくても、字幕付きならハードルが下がりますね。
もう一度、ここまで見てきたツールやサイトをおさらいしておきましょう。
<この記事で紹介した方法>
ページ全体を翻訳したい→ブラウザの翻訳機能(Google、Edge)
文章を翻訳したい→翻訳ツール(Google、DeepL)
単語やその背景知識を調べたい→事典(Weblio、エンサイクロペディア)
定番の文献を揃えたい→海外の文献検索サイト(Google Scholar、WorldCat、KVK)
あらゆるメディアから情報を探したい→検索エンジンの多言語機能
海外の動画から情報を得たい→TED、Asuka Academy、YouTube
ここまでできるようになったら、海外のメディアや情報を使った調査も怖くありません。
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【この記事の監修者】
田中 悠樹|株式会社Study Valley代表
東京大学大学院卒業後、ゴールドマンサックス証券→リクルートホールディングスに入社。同社にて様々な企業への投資を経験する中で、日本の未来を変えるためには子どもたちへの教育の拡充が重要であると考え、2020年に株式会社Study Valleyを創業。
2020年、経済産業省主催の教育プラットフォームSTEAM ライブラリーの技術開発を担当。
2024年、経済産業省が主催する「イノベーション創出のための学びと社会連携推進に関する研究会」に委員として参加している。